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福島・葛尾村、「8年ぶり」原乳出荷 放射線検査クリア、「長かった」

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福島県葛尾村で、原乳の出荷を再開した佐久間哲次さん=11日午前
福島県葛尾村で、原乳の出荷を再開した佐久間哲次さん=11日午前

 東京電力福島第1原発事故で一時、全村避難を余儀なくされた葛尾村の牧場で11日、事故後、初めてとなる原乳の出荷作業が行われた。十数頭から搾った原乳は735リットル。厳格な放射線検査をクリアした白い原乳は8年ぶりに本宮市の東北協同乳業に卸され販売される。11日で東日本大震災から7年10カ月。(内田優作)

 出荷を再開したのは、同村落合の「佐久間牧場」。原乳は9日夜から11日朝にかけて十数頭から搾った。

 「8年ぶりだね」

 11日午前10時すぎ、牧場に入ってきた原乳輸送トラックのドライバーが牧場主の佐久間哲次さん(42)に声をかけた。佐久間さんが村に戻ったのは、昨年4月。牧場再開の準備を始め、乳牛8頭を迎え入れたのは昨年9月。以来、少しずつ頭数を増やして、この日を目指してきた。

 原乳は「クーラー」と呼ばれるタンクから半透明の管を通って、トラックのタンクへと流し込まれ、トラックは出発した。原乳は10月から16回にわたってモニタリングを行い、すべて放射性物質不検出だった。

 作業は約10分ほど。それでも見守った佐久間さんは「長かった。肩の荷が下りた」と振り返るように言い、「やっとスタートラインに立てた」と語った。

 震災前、最後に原乳を出荷したのは平成23年3月11日、あの日の朝だった。飼育していた乳牛は130頭ほどいたが、避難先から戻ると「何頭も死んでいた。今も目に焼き付いている」と佐久間さんは話す。

 現在の乳牛は19頭だが、震災前と同じ規模にするのが目標。震災前、同様に酪農を営んでいた村民らの力も借りながら生産量増加に努力している。

 避難指示が解除された地域での原乳出荷再開は楢葉町、川俣町山木屋地区に続いて3例目だが、葛尾村で酪農を再開したのは佐久間牧場だけ。佐久間さんは「避難や休業中のところもあると思うが、勇気を与えられたら」と語った。

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