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【いの一番】JR九州青柳俊彦社長(65) 各地域に元気を 「九州と鉄道基盤に発展する」

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 10年後に鉄道グループとしてどうありたいか-。そんな将来像を考えて、準備を始める、スタートの年になりそうです。

 平成28年に株式を上場して以来、海外で投資家向け説明会を開いています。一昨年は欧州、昨年は米国のニューヨーク、ボストン、シカゴに行きました。投資会社からは、厳しい言葉をいただきます。

 米国の投資家は、わが社を鉄道会社というより不動産会社とみているようです。「成功した(駅ビルなどの)物件をなぜ早く売らないのか」と言われます。「鉄道をベースに、相乗効果のある事業を展開しており、駅ビルを売ることはありません」と答えますが、なかなか理解してもらえない。

 鉄道事業に対して投資家は、「他の事業に支障をきたさないようにしてほしい」という感じです。

 (今年から始まる)次の中期経営計画は、こうした投資家への回答も踏まえて、作らないといけない。

 それでもわが社は、九州、そして鉄道を基盤とするグループとして発展していくことは、改めて申し上げたい。中経の重点項目として、鉄道では新幹線をしっかり伸ばす。平成34年度に長崎ルートが開業します。この利用促進策に力を入れます。

 あわせて、10年後の社会を想定し、鉄道が今以上の役割を担うための提案もしないといけません。

 人手不足を補う技術導入は喫緊の課題です。AI(人工知能)の採用も、積極的に取り組まないといけない。

 自動運転などで、モビリティ(移動)の世界は、大きく変わろうとしています。さまざまな移動手段を組み合わせる「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」も議論されています。

 ■グローバルな営業

 鉄道以外ですが、今年は、東京や福岡で新たなホテルを開業します。海外へは、不動産やホテルなど、得意な分野で出て行きたい。タイでサービスアパートメントを展開していますが、条件が整えばタイ以外の国にも進出したい。

 昨年、タイ・バンコクの高級ホテルの経営権を取得しました。実際の運営は、米大手のマリオットインターナショナルグループが、手掛けています。

 マリオットから、グローバルなホテル営業を学びたい。われわれに欠けていたところです。日本でマリオットグループが展開できるジャンルがあれば、一緒にやっていきたい、という思いもあります。

 九州内では、熊本駅一帯の開発に取り組んでいます。福岡市や北九州市に次ぐ都市です。福岡以外の都市に元気がないと、九州の元気につながらない。各地が元気を出す努力を、惜しまずにやっていく。

 同じ熊本県でいうと、民営化が決まった熊本空港があります。県知事にはこれまで、空港のアクセス向上には、鉄軌道が必要だと話をしてきました。鉄軌道がないと、空港利用者はある程度のところで頭打ちになります。整備や運営形態を、これから県と相談していきます。

 ■10年先を議論

 (一部不通が続く)日田彦山線の復旧に関しては、自治体と議論しようということになりました。

 ただ九州の鉄道は、日田彦山線だけが問題ではありません。人口が減る中で、10年先まで残すには何が必要か、地元のみなさんと考える時期になっています。

 こうした議論は、私自身は、まだ満足するところまでいっていません。それでも、日田彦山線の議論を通じ、考えないといけないという認識が他の地域にも広まってきた感触は持っています。一歩前進です。今後も、時間をかけて取り組んでいきます。(高瀬真由子)

                   ◇

 ■九州新幹線で貨客混載 収益力強化狙い導入検討

 JR九州が、九州新幹線で貨物を旅客列車に載せて運ぶ「貨客混載」の一部列車への導入を検討している。人手不足が深刻化している物流業界の需要を取り込み、収益力を強化する狙い。導入時期は未定で、実現すれば新幹線では珍しい貨客混載となる。

 九州新幹線の博多-鹿児島中央を走る列車に貨物を載せることを想定しており、早朝や深夜の乗車率が低い列車が対象となりそうだ。列車の一部車両に貨物を積む専用スペースを設け、客席とは分離する見通し。現在は、実施した場合の採算性などを検証している。

 JR九州の平成30年3月期決算(単体)の鉄道事業は、会計処理に伴う費用軽減分を考慮しなければ営業損益が20億円の赤字だった。収益力を高め、収支を改善させるのが課題となっている。

 列車を使った貨客混載の動きは広がっており、北越急行(新潟県南魚沼市)が佐川急便(京都市)と連携して29年4月に始めたほか、JR北海道も佐川と組んで宗谷線で30年度内にも始めると既に発表している。

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