PR

地方 地方

【年頭インタビュー】川崎・福田紀彦市長 多様性の街見据える発展

Messenger

 新春にあたって川崎市の福田紀彦市長が産経新聞のインタビューに応じ、「人口増と多文化共生」をテーマに語った。増え続ける人口の利点と弊害にどう向き合っていくのか。また、近年活発化し始めたヘイトスピーチ(憎悪表現)をめぐる対立など、共生の根幹を揺るがす事態をどう捉えているのか。福田市長は各種の課題への対応に自信を見せ、「市の未来は明るい」との展望を示した。 (聞き手 外崎晃彦)

                   ◇

 --市の人口が平成42年まで増えるとの見通しをどう捉えているか

 「人口増は街の活力や経済活動の源泉になり、とても喜ばしい。ただ、同時に課題も出てきている。高齢化率は7区中4区がすでに21%を超え、市全体が超高齢化社会にさしかかっている。高齢者の6人に1人が要介護といわれるが、人口が増え続けるなか、比率よりも実数をよく見て対策をとらなければいけない」

 --一方で、子育て世代が流出しているという報告もあるが

 「地価や家賃相場が影響し、家族が増えて手狭になると、市外に移住せざるを得ないというケースがある。所得が上向く層が抜けることは税収的にもデメリット。家族数や世帯収入など状況に見合う住宅をどう確保していくかが課題だ。子育て世代が移り住んできて、長く住み続けられるような街作りを進めたい」

 子育て支援重視

 --子育て支援にはどう取り組んでいるのか

 「この5年間、すさまじい勢いで保育所を整備してきた。だが、それでも需要が今後、さらに高まることが予想されている。幼児教育無償化の推進や待機児童対策など、子育て支援は市の最重要課題の一つだ」

 --武蔵小杉など人口急増地域の住民の不満をどう受け止めているか

 「公共交通の混雑や新旧住民の摩擦などの問題が聞こえてきており、市民の声は非常に重く受け止めている。再開発は乱開発を防ぎつつ、良好な住環境を整備することが目的。道路の拡幅や老朽化した公共施設の転換、空き地や公園の整備など、それぞれの事業が軌道に乗っている。問題には一つ一つ、丁寧に対応していく」

 --多国籍、多様な住人が共生する市の現状について、どう認識しているか

 「川崎はまさにダイバーシティ(多様性)の元祖。大正期に人口5万人からスタートし、市外や国外から多くの人が入ってきて、発展してきたという歴史がある。直近の4年間でも人口は約5万6千人増え、そのうち1万人超が外国人だ。この流れは今後も続くだろう。街が多様性とともに成長してきたことを誇りとして、さらに成長につなげていくという感覚を持ち続けることが大切だ」

 --そんななか、共生を乱すようなヘイトスピーチをめぐる対立も目立ち始めているが

 「対立する双方ともに川崎市民はごく少数で、東京都内などいろいろな場所から集まってきて川崎で事を起こしているという現状があるようだ。多文化共生の街としては大変残念だし、混乱を招いていることに対しては遺憾に思う」

 「一緒に街作り」

 --人権条例制定にはどんな狙いや思いがあるのか

 「ヘイトスピーチに限らず、障害者や性的指向への差別など、あらゆる差別をなくす。少なくとも32年の東京五輪・パラリンピック開幕前に条例を施行させ、名実ともに人権が尊重される街としたい。川崎は人権問題のフロントランナー。これからもそうあり続けなければいけない」

 --市の発展や活性化の見通しは

 「スポーツや音楽など文化面も充実し、経済的発展も著しい。市の展望はいずれの方面でも非常に明るい。ただ、それを下支えするためのコミュニティー形成、互助の地域作りが重要だと考えている。バランスの取れた政策を続けていけば、今年も必ず大きな飛躍の年になる。市民のみなさんには期待してほしいし、一緒に街作りに参加してもらいたい。みんなで作ってみんなで喜べる、そんなサイクルを築きたい」

                   ◇

【プロフィル】ふくだ・のりひこ

 昭和47年4月20日生まれ。川崎市出身。米ファーマン大学政治学専攻卒業後、衆院議員秘書を経て平成15年、県議選で初当選。25年の市長選で初当選した。29年に再選し、現在2期目を務める。46歳。

                   ◇

【用語解説】川崎市

 県の北東部に位置する政令市。7行政区(川崎、幸、中原、高津、宮前、多摩、麻生)で構成している。人口は県内で横浜市に次ぐ2位の規模。平成29年4月に150万人を突破した。昨年12月1日時点の人口は151万7784人で、男性が76万8564人、女性が74万9220人。全7区のうち最多が「武蔵小杉エリア」のある中原区で約25万8千人。最少は幸区の約16万7千人。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ