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ほっこり…おでん種作りに大忙し 浦和「増田屋」

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 寒い冬には欠かせない料理の一つが「おでん」。その具材を製造・販売する創業71年目の老舗、増田屋(さいたま市浦和区)は繁忙期を迎えている。原材料価格の高騰や10月に予定されている消費税率の引き上げなど取り巻く環境は厳しいが、2代目の高畑友之さん(62)は「浦和で手作りのおでん種を販売しているのは、うちだけ。お客さんが買いに来てくれる限り、毎日頑張っていく」と力を込める。

 増田屋は、JR浦和駅西口から徒歩3分の「ナカギンザ商店街」の一角に店を構える。アーケード構造でまるで昭和時代にタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気を醸し出している。創業者で高畑さんの父、圭助さん(96)が大宮から浦和に店を移した。

 店には約60種類のおでん種が並ぶ。価格は1個100円前後で「長らく値上げしてこなかったが、さすがに厳しくなった」(高畑さん)ことから、昨年9月、ほぼ全ての商品を10円値上げした。常連客からは「値上げしてもいいから、お店だけはやめないでね」という声もあったという。

 おでん種の仕込みは店頭に並ぶ前日の夜。ひと晩寝かすことで具材の表面が滑らかになるという。原材料のイトヨリ、キントキ、スケソウ、タラの4種類の魚をブレンドし、この混ぜ方がおでん種の味を左右するが、「その方法は企業秘密」(高畑さん)。

 昨年10月、公設卸売市場の築地市場(東京都)が東京・豊洲に移転したが、これを機に、これまで取引のあった仲買業者がやめてしまったといい、高畑さんは「魚を手に入れるのが難しくなった」と頭を悩ます。

 そんな中、高畑さんの楽しみの一つは、後継者となる次男の健太さん(22)の成長ぶりだ。修業を始めて4年目を迎え、3代目の自覚も芽生えているようだ。ただ、高畑さんは「まだまだ。私だってまだ勉強中の身」とし、こう続ける。

 「次男には(近くの百貨店の)伊勢丹の紙袋を持ったお客さんが、(伊勢丹の)地下の食品売り場で買わず、わざわざここに買いに来てくれる。だから『絶対に手を抜くな』と口酸っぱく言っている」

 7日の初売りは「増田屋さんのさつま揚げを食べたら、他店のものは食べられない」という常連客の強い要望もあり、2時間ほど早く店を開けた。高畑さんは「正直、大変なことの方が多いが、これからもとにかく増田屋の味を守っていきたい」と意気込む。 (大楽和範)

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