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【いの一番】西日本鉄道・倉富純男社長(65) 地方バス路線、自治体と考える 大型開発事業をシンボルに

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 この1年、福岡市の大名小跡地や青果市場跡地の再開発、本社が入る福岡ビルの建て替えなど、これまで仕込んできた大型プロジェクトを、同時に進めます。地域とわれわれ西鉄にとっての象徴としたい。

 大名小跡地の計画では、高級ホテルの「ザ・リッツ・カールトン」を誘致します。跡地隣では西鉄グランドホテルを運営していますが、共存もできると考えています。建て替えも選択肢の一つではありますが、ホテルは今、稼ぎ時です。観光でもビジネスでも多くの人が訪れている。

 大名小の計画の進捗(しんちょく)をみながら、もう少し後に、方針を固めます。

 福岡空港の運営は、九州電力やわが社など地場企業を主体に、シンガポールのチャンギ・エアポート・グループなどが加わります。関係者が協力できる、良いチーム体制になったと思います。

 こうした大きな案件を進めるには、「守り」も必要です。確実に利益を出す既存事業があってこそ、プロジェクトを動かせる。(今年から始まる)中期経営計画は、今取り組んでいる事業を、着実に進めることに尽きます。

 とはいえ、しゃにむに何でもやるのは、本当の経営とはいえません。安全投資など必要不可欠なもの以外は、選択と集中をします。無駄な金を使わず、メリハリを付けていきます。

 ■住宅展開

 引き続き海外での住宅展開を、しっかりやっていきます。ベトナムが中心ですが、インドネシア、タイ、フィリピンでも、担当者が一生懸命検討しています。

 国内では首都圏ですね。小岩(東京都江戸川区)、成増(板橋区)、厚木(神奈川県厚木市)などで、マンションの販売を進めています。福岡にとどまっていたら、手掛ける物件が限られます。

 JR九州は、大阪の中心地でタワーマンション開発を発表しました。うちは、ストライクゾーンのど真ん中というより、郊外を拾い上げる。上質な住宅を提供し、利益に貢献する。首都圏でもようやく目利き力が付いてきたので、担当の事務所を部に格上げし、今後の足がかりにしたい。

 ■次のステージへ

 バス事業では、ダイヤ適正化に向けて、日立製作所とビッグデータの活用を研究しています。働き方改革や運転手不足対策の観点からも、乗客に不便をかけない範囲で、効率化が必要です。

 コンピューターやAI(人工知能)を活用し、都心の過剰な利便を見直す。これが、バスの次のステージでしょう。第一弾として、3月のダイヤ改正で、(検証成果を)一部入れ込んでいきます。

 車内カメラで、乗客の年齢を把握・分析できるようになります。プライバシーに配慮しながら、こうした情報もダイヤに生かし、3年後には、より適正なものにしたい。

 (予約に応じて走らせる)オンデマンドバスや、ルートを読み取って、自動で走るバスも、導入を進める。少なくとも実証実験に取りかからないと、バスがバスに乗り遅れます。

 過疎地域のバスの維持は、市町村と一緒に知恵を出していくことに尽きます。全国3分の2のバス事業者が赤字といわれますが、その通りで、地方は市町村の補助でなんとかやっているのが現状です。

 乗客と貨物の双方を運ぶ「貨客混載」事業も、適したところがあればやっていきたい。

 もはや、都心でもうけた分で過疎地の路線を維持するという発想でやっていく時代ではない。今後人口が、2割3割と減っていく中で、日本がどうやって住みよい街を維持するのか、公共交通とセットで考えていかなければいけません。 (高瀬真由子)

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