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【年頭インタビュー】林文子・横浜市長 人口減対策と財政基盤を強化

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 新春にあたって横浜市の林文子市長が産経新聞のインタビューに応じ、今年をピークに人口が減少に転じる見込みである横浜の将来像を語った。高齢化社会に突入している市の財政基盤の強化を図ろうと、企業誘致の推進や観光振興、政府が4月に創設する在留資格で、増加していく外国人を生活者として迎え入れる基盤の整備など話題は多岐にわたり、行政課題を克服することに意欲を示した。 (聞き手 王美慧)

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 --市の人口は今年をピークに減少に転じる見込みだ。人口減少への対策は

 「生産年齢人口が減少しており、高齢化社会に突入している。平成37年には市内の3人に1人が65歳以上になるというデータもある。だからこそ、大変重要な政策だと思っている。人材の確保と同時に、高齢化していく方々の支えも非常に必要。人口減少であるがゆえに、働き手の確保も難しい。国が新たに創設した在留資格で、4月から外国人材の受け入れを拡大する政策とも合っている。さらに、女性の社会進出をもっと進めないといけない。待機児童対策も引き続きゼロを目指して取り組み、働く女性をもっと増やすことが大切だ」

 ◆企業誘致は成功

 --市の税収は個人市民税の占める割合が高く、法人市民税が低い。現状をどう捉える

 「市では経済成長を図っており、法人市民税は増加している。企業誘致のために『市企業立地促進条例』を作り、インセンティブを付けて企業を招いている。(同条例を制定した16~29年度までの間で)税収累計は430億円弱増加した。市の企業誘致は非常に成功した。あとは観光振興。32年春に開業するMICE施設『パシフィコ横浜ノース』が建設中で、相乗効果もあるだろう。特に必要なのはクルーズ客船。大黒ふ頭や新たな客船ターミナルを整備している新港ふ頭、大さん橋国際客船ターミナル、山下ふ頭、本牧ふ頭があるが、7隻の同時着岸が可能になる。今年は約190回の寄港が予定されており、非常に増えているので大変期待している」

 --4月から外国人材の受け入れが始まる。どのような効果を期待し、どう支援するのか

 「市内には9万人を超える外国人が生活しており、約5年間で実に2割以上増加した。その対策は非常に重要だが、外国人が横浜に住み、働いていただくことは非常に歓迎。特に介護人材の確保は非常に問題で、現在も市はベトナムから介護人材の受け入れを図る政策をとっている。市は国際交流ラウンジで、多言語での生活情報提供や相談対応、児童・生徒らへの日本語支援拠点『ひまわり』での取り組みなどに力を入れている。質の高い受け入れ環境の整備を進め、海外の方々や企業に選ばれる市を目指していく」

 ◆日本語支援を検討

 --100カ所以上ある日本語教室は、NPO法人などが自主事業で実施している。市はこうした事業に補助金を出していない。支援の制度化は考えているか

 「市としても、9都県市首脳会議でも(国に基礎自治体が取り組む生活支援に対して財政支援メニューなどを新設するよう)要望した。国が国策としてやるならば、財政的支援をやってほしいと。指定都市市長会でも同様の要望をした。当然ながら、そういうことも今後、検討していくことになる。(外国人材が活躍するためには)職場で分け隔てなく、一緒に仕事をしていかないといけない。やはり言葉の問題がすごくあると思う。日本語支援が非常に重要で、しっかりと取り組んでいく」

 --28年12月にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)推進法が成立した際に財政基盤の強化でIRが必要としていた。IRの現状の位置付けは

 「IRは観光立国の実現や将来にわたる経済成長に向けて、日本で初めての取り組みとして政府が進めている。現段階ではやはり白紙の状態。(誘致の是非の)判断時期も決めていない。国から示される情報を把握しながら総合的に判断するためには、ある程度期間が必要だと考えている。市民にとって一番良い方法は何かを、多方面から考えていかなければならない。観光立国に必要なものであるかもしれないが、各都市での事情があると思う」

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【プロフィル】はやし・ふみこ

 昭和21年5月5日生まれ。東京都出身。都立青山高校を卒業後、東洋レーヨン(現・東レ)、松下電器産業(現・パナソニック)などに勤務。ファーレン東京(現・フォルクスワーゲンジャパン販売)社長、ダイエー会長兼最高経営責任者(CEO)、東京日産自動車販売社長などを歴任。平成21年の市長選で初当選し、29年に3選を果たした。72歳。

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【用語解説】新在留資格

 外国人材受け入れ拡大を目指す改正出入国管理法に基づき、4月に創設される新在留資格「特定技能」。滞在期間が最長5年で単身が条件の「特定技能1号」の対象は14業種で、受け入れは当面9カ国。1号と2号を合わせた人数の上限は5年間で計約34万5千人。新資格に見合った技能や知識を有しているかについての技能試験の実施は、4月時点で介護、宿泊、外食の3業種にとどまる。

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