PR

地方 地方

【平成よ とちぎの軌跡】(5)新交通システムLRT 検討から四半世紀、始動のとき

Messenger

 「新交通システム」として平成5年から検討が始まって25年。昨年5月28日、宇都宮市と芳賀町が導入を進める次世代型路面電車(LRT)の起工式がJR宇都宮駅東口で開かれた。国内初の全線新設によるLRT事業は34年3月開業を目指し、着々と整備が進められている。

 事業計画では、同駅東側と芳賀町までの14・6キロを結び、整備費は約458億円を見込む。停留所のほか、バスや自転車などから乗り換えるトランジットセンターも5カ所配置する。10月には同駅東西の横断ルートも決定。同駅西側への延伸も整備基本計画の策定と併せ、具体的な導入ルートや停留所の位置を検討していく段階に入った。

 ◆人口減、高齢化見据え

 宇都宮市が新交通システムの検討を始めたのは、慢性的な交通渋滞の緩和が課題だったからだ。17年ごろには、人口減少、超高齢化の課題がクローズアップされ、車社会から公共交通への転換は都市づくりの重要なテーマとなった。

 同市は、市内を網羅する公共交通のネットワーク構築の検討を始めた。東西を結び、公共交通の軸となる交通システムが必要として、輸送力、時間の正確さ、既存の鉄道やバスとの連携、環境面を考慮した結果、LRTの導入に至った。

 だが、必ずしも順調には推移しなかった。注目を集めたのは28年の市長選だ。24年の市長選でも相手候補がLRT反対を掲げる中、大差で3選した佐藤栄一市長だが、計画が具体化した28年の選挙では市民団体や野党が推す計画中止を訴える選挙初挑戦の対立候補と接戦となる。約6千票差の激戦を制して4選した佐藤市長は「疑問のないよう市民に理解を求めていく」という姿勢を強調した。

 ◆市民のマイレール

 市民の理解と意見を求める説明会は22年度から市内各地で実施している。事業の進捗(しんちょく)状況に合わせ、当面のスケジュールや地区ごとの整備箇所、整備後のイメージなどを説明している。

 昨年8月、ショッピングモール「ベルモール」(同市陽東)に開設した「交通未来都市うつのみやオープンスクエア」ではLRTの最新情報を発信。特設ホームページでも計画の経緯やさまざまな疑問への回答、工事情報などを掲載している。

 同市LRT企画課には協働広報室が設置され、担当者は「市民とともに育てていくLRTでありたい」と話す。“マイレール”の愛着が持てるよう、車両デザインも市民アンケートで決定した。今後も愛称や停留所名など募集していく予定。「役所が走らせたのではなく、一緒に経験していく中で開業につなげたい」と話す。(松沢真美)

                   ◇

 ≪未来予想図≫

 宇都宮市と芳賀町のLRTは平成34年3月開業予定。運転区間は、JR宇都宮駅東口から芳賀町の本田技研北門まで約15キロ。所要時間は各停留所に停車する普通44分、快速38分。東北自動車道に大谷スマートインターチェンジ(仮称)も開設され、34年開催「いちご一会とちぎ国体」もあり、東西交通の整備による活性化が期待される。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ