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【いの一番】福岡商工会議所・藤永憲一会頭(68)会員ニーズに応える

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インタビューに応じた福岡商工会議所の藤永憲一会頭=13日午後、福岡市博多区(中村雅和撮影)
インタビューに応じた福岡商工会議所の藤永憲一会頭=13日午後、福岡市博多区(中村雅和撮影)

 組織が力を発揮できるような環境づくりを進めたい。昨年6月の会頭就任以来、その思いで取り組んでいます。

 描いているリーダー像は、こうだ、と決めているものはありません。リーダーシップとは、何か決まった能力ではなく、組織をその時代にあった姿にリードできる能力だと思っているからです。

 会議所は会員ニーズに応えるのが仕事です。借金して投資し、チャレンジするという普通の企業とは違う。

 支援は、受け手のニーズや事業環境が変われば、やり方が変わる。だからこそ職員は、ニーズをくみ取るため、各社をローラー作戦的に回っています。御用聞きのように生の声を聞き続け、変化の兆しがあるなら、先手を打つ。

 昨年7月、日本貿易振興機構(ジェトロ)福岡事務所など4団体と連携し、企業の海外進出に向けたワンストップ窓口を会議所ビル内に設けたのはその一例です。

 会議所としての取り組みは、礒山誠二前会頭時代と変わりません。平成30年度からの中期方針は、私も副会頭として関わりました。企業ならトップが交代すれば、がらっと変わることがあるだろうが、会議所はそうではない。約1万6千社の会員を抱え、それぞれが抱える課題解決への支援が最優先の仕事です。

 会頭就任後、フランスやベルギー、オランダを訪問し、観光や農業の先進的な取り組みを視察しました。また、昨年9月には、ベトナム・ハノイでベトナム商工会議所と協力合意書(MOU)を締結しました。

 会議所とは別ですが、福岡県国際交流センター理事長として、米・南カリフォルニアの福岡県人会設立110周年のイベントにも参加した。慌ただしい日々でしたが、各地に出向き、多くを学びました。

 ■レジ改革後押し

 人手不足や事業承継など、ここ数年話題になっている問題もありますが、短期的にはやはり、消費増税への対応に関心が高いと感じています。

 昨年10月、安倍晋三首相が閣議で増税を予定通り行う方針を表明して以降、企業も対応に本腰を入れ始めました。会議所で開いているセミナーへの受講者も急増した。

 軽減税率への対応やキャッシュレス化、ポイント還元の準備など、やるべきことはたくさんあります。

 会議所ではこれまで、人手不足への対応も兼ねて、経理業務へのICT(情報通信技術)導入を後押ししてきました。ただ、会社によって採用の条件はさまざまで、導入への課題も見えてきました。

 そこで、支援の軸足をレジ周りの省力化に移そうとしています。ICTを活用したレジ改革を進めれば、消費増税に向けた省力化にもつながり、企業にとって採用のメリットが分かりやすい。

 レジという経理の入り口部分のデジタル化を促せば、最終的には経理全体の簡素化にもつながってくる。

 会議所自体でも必要性を感じれば、何かチャレンジしてみたいと思います。

 ■伝統芸能を発信

 観光振興については、一過性の取り組みではいけない。客は何か見てみたいという魅力がなければ訪れてはくれません。

 伝統芸能が福岡の魅力としてより認知されればいいと思っています。会議所は博多伝統芸能振興会を通じて、支援を続けています。

 櫛田神社(福岡市博多区)の隣で、平成29年11月に完成した「博多伝統芸能館」は好調ですね。

 「博多券番」の芸妓(げいぎ)衆が公演したり、インバウンド(訪日旅行)客のツアーに組み込んでもらったり、さまざまな取り組みを進めています。博多港に入港したクルーズ船で「出前巡業」もしたそうですね。福岡市が始めた博多エリアの活性化策「博多旧市街プロジェクト」とも協力できている。

 観光振興の財源については現在、福岡市と福岡県が「宿泊税」について議論を続けています。税金を徴収される事業者が混乱しないように、できるだけ簡素な仕組みにしてもらいたいですね。

 今年5月、天皇陛下が譲位され、元号が変わります。

 「この際、西暦に統一すべきだ」という人もいますが、私はそうは思いません。

 元号は他国にはあまり見られない、日本独自の仕組みです。なくしてしまえばシステム的には簡単になるでしょうが、日本の良い風習が失われます。

 実態として何かが変わるわけではありませんが、新たな気持ちで、いろいろなことを始める良い機会だと思いますよ。(中村雅和)

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