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【回顧2018】福岡市長、最多得票で3選

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福岡市長選で3選を決め、安倍晋三首相と電話で話す高島宗一郎氏(左)=11月18日
福岡市長選で3選を決め、安倍晋三首相と電話で話す高島宗一郎氏(左)=11月18日

 ◇再エネ出力制御、危うい需給

 九州電力は10月13日、離島以外では初めて、再生可能エネルギーの出力制御に踏み切った。九州は太陽光発電所が多い。日中、太陽光の発電量が増えて、電力の供給量が需要を大きく上回れば、大規模停電(ブラックアウト)が起きかねず、これを回避するための措置だった。

 出力制御は10、11月で計8日に及んだ。九電の池辺和弘社長は記者会見で「対策を講じているが、短期的に状況は改善しない」と理解を求めた。再エネの急拡大が引き起こした、電力需給のバランスの危うさが浮き彫りになった。

 11月13日に出そろった九州・山口8県の地方銀行の平成30年9月中間決算は、日銀のマイナス金利政策の影響で、厳しいものとなった。21行中、16行が前年同期比で減益となった。各行は業務改革に加え、人材紹介業など多角化で収益確保を図ろうとしている。

 11、12月は首長選が相次いだ。福岡市の高島宗一郎市長は11月18日、過去最多得票で3選を果たした。

 選挙戦で高島氏は、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相ら政権中枢とのパイプによる政策推進をアピールした。一方、市議会最大会派、自民党市議団との軋轢(あつれき)も改めて表面化した。今後は議会対応に頭を悩ませる場面も増えそうだ。

 福岡県の小川洋知事も議会とのしこりを抱える。小川氏は12月20日、知事選への3選出馬を表明。小川氏を厳しく批判してきた自民は、元厚生労働官僚の武内和久氏を対抗馬に立てる方針を決めた。知事選は来年4月。しばらくは小川氏と自民の神経戦が続く。

 ◇着地点見えぬ宿泊税問題、負担側の視点で議論を

 九州総局へ着任した翌日、福岡県と福岡市が不協和音を鳴らす場面を取材した。10月2日、両者が互いに導入を主張する宿泊税をめぐり、事態の打開を図ろうと、県の観光局長が市役所を訪れ、協議を申し入れた。

 市側で応対したのは秘書課長だった。急な申し入れに、担当幹部の都合がつかなかったという事情はあったが、秘書課長は文書を受け取ると、そのまま無言で部屋を出ていった。

 その場にいた報道陣は、あっけにとられた。普通であれば着席を促し、一言二言でも会話を交わしそうなものだ。市側のそっけない対応に、県と市の間にある深い溝を感じ取った。

 11月初め、県議会から「問題解決にリーダーシップを発揮してほしい」と、尻をたたかれた小川洋知事が、福岡市の高島宗一郎市長と会談し、実務者協議を始めることで一致した。

 しかし、年を越そうとしている現在も、着地点は見えない。入り口からつまずいたからだ。

 宿泊税に限って議論したい県に対し、市は宿泊税を起爆剤に県と政令市をめぐるさまざまな課題を、協議のテーブルに載せようと狙う。

 さらには小川氏によるトップ会談の申し入れが、皇族が出席する式典の直前であったことや、福岡市長選直後の再会談を求めたことで、高島氏は不信感を募らせた。

 事態を好転させるためのトップ会談によって、かえって混迷が深まったように見えた。

 宿泊税導入によって得られる年間の税収は、県の試算で福岡市も含め全県で課税した場合に36億円、市の試算では24億円に上る。県、市とも税収は観光振興施策に充てる方針だ。

 市は「基礎自治体ができることは基礎自治体がやるべきだ」と主張する。県は「広域観光には県が責任を持つ」とし、それぞれ正当性を主張する。だが、インバウンド(訪日旅行)を含め観光客の入りが好調な福岡にあって、これだけ大きな財源をみすみす手放したくないというのが本音だろう。

 宿泊税を支払うのは宿泊客だ。県と市による「二重課税」への懸念のほか、観光振興に充てるという目的が、ビジネス客の理解を得られるのかという指摘もある。「安易な課税」と受け取られないよう、県と市には負担側の視点にも立った建設的な議論を求める。(小沢慶太)

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