PR

地方 地方

【年の瀬記者ノート】8月の記録的豪雨 頼みのポンプ機能せず「人災だ」 山形

Messenger
排水ポンプは稼働したものの、記録的豪雨によって冠水した山形県戸沢村蔵岡地区=8月31日(長沢昌文さん提供)
排水ポンプは稼働したものの、記録的豪雨によって冠水した山形県戸沢村蔵岡地区=8月31日(長沢昌文さん提供)

 「おっかなかったー。家の前が川だ、川。家の中も川だった」

 今年8月、戸沢村を2度にわたって襲った記録的豪雨。蔵岡地区を流れる角間沢(かくまざわ)川が氾濫、そのときの恐怖を角間沢川沿いに住む農業、斎藤秀男さん(87)はこう語った。自宅は床上浸水、冷蔵庫もテレビも駄目になり、約80世帯の約8割が床上・床下浸水被害を受けた。

 蔵岡地区では、大雨で川からあふれた水が行き場をなくす「内水氾濫」が毎年のように発生してきた。8月5日の豪雨では、1月に国土交通省新庄河川事務所が設置した排水ポンプが稼働するはずだった。だが停電で動かず、自家発電装置もなかった。

 排水ポンプに期待していたのは斎藤さんばかりではない。排水ポンプのそばに住む庄司庸子さん(70)ら、地元住民は頻発する水害から守るため、雨が降ると畳や家具を2階に上げる対策をとってきた。だが、今回はそんな余裕すらなかった。庄司さんは「30分ほどで水が上がってきた」と話す。

 国が14億円を投じて設置した排水ポンプ。「これで蔵岡地区は守れる」という国の説明を地元住民は信じていた。だが、排水ポンプは停電で起動せず、地区は冠水した。「14億円も投じて動かなかった。災害時に使うポンプなのに自家発電装置もないなんて」。庄司さんの怒りは収らない。現地視察した吉村美栄子知事も「自家発電があれば」と指摘した。だが豪雨は再度、地区を襲い、悲劇は繰り返された。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ