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「余生こそ我が青春」 香美の88歳・田中さんが初歌集 亡き夫との農業懐かしむ

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初の歌集を手にする田中富美子さん=香美町村岡区
初の歌集を手にする田中富美子さん=香美町村岡区

 香美町村岡区村岡の88歳の田中富美子さんが、初の歌集「月に耕し星に刈る」を発行した。60歳から始めた短歌は「私の生きがい」と語り、歌集には300首以上の作品を載せた。「いつまでも作り続けたい」と創作意欲は衰えない。

 田中さんは旧村岡町に生まれ、23歳で結婚、2人の子供に恵まれた。農業一筋の生活だったが、平成10年に夫が事故で急死した。

 「やうやくに君の逝きしをあきらめのつきし頃より歌詠みそめつ」

 夫の死後、「2年間は何も手につかない生活だった」。だが、友人の勧めで地元の短歌教室に参加。母親が好きだった石川啄木の短歌を思い出し、ようやく前向きに生きることにしたという。

 それでも、まじめでおとなしかった夫の言葉はいつまでも心に残り、一緒に農業をしたときの楽しい暮らしを懐かしむ。

 「捨てるなの亡夫の言葉の潜む納屋大鎌のあり耕運機のあり」

 「牛を追い月に耕し星に刈る昔の暮らしを恋しむわれは」

 今はデイサービスに通いながら、子供が使った国語辞典をそばに置き、短歌をつくる毎日。歌集はこれまでの作品の中から315首を収めた。

 「余生こそ我が青春と思いつつ古典・短歌と心を燃やす」

 田中さんは「月に1回の短歌会が楽しみ。物忘れもありますが、いつまでも短歌は作っていきたい」と話している。

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