PR

地方 地方

出入国管理法改正案 外国人との「共生」模索の川口、なお課題

Messenger

 外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案の国会攻防が緊迫化した7日、多くの外国人が暮らす川口市では改正案をめぐり期待と不安が交錯した。市内のJR西川口駅周辺は「リトル・チャイナ」と呼ばれるほど中国人であふれ、トラブルが絶えない一方、人手不足で受け入れを容認する声も。改正案は川口の未来にどう影響するのか-。「共生」の具体像は手探りが続く。

 「習慣、風習などの違いでトラブルがあるのも事実だが、今後も根気よく丁寧に説明して、共生社会の実現を目指したい」

 県内の自治体で最多の約3万5800人の外国人を抱える川口市の奥ノ木信夫市長はこう語る。一方で「川口はこれからも外国人の労働力が必要」とも強調し、受け入れに前向きな姿勢をにじませた。

 市内で製造業を経営する60代の男性は外国人労働者の受け入れ拡大について「仕事によって日本人の若者はどうしても敬遠する傾向があるので、やむを得ない」と語る。対照的に西川口で飲食店を営む50代の男性は「さらに中国人が増えると考えるとちょっと…」と不安な表情を浮かべた。

 この20年で外国人が急増した芝園団地(同市芝園町)には現在、住民の半数に相当する約2500人の外国人が住んでいる。団地内のごみ集積場には防犯カメラが設置され、ごみ出しのルールは日本語、中国語、英語の3カ国語で表記されている。

 芝園団地自治会の岡崎広樹事務局長は「外国人は生活習慣が日本と違うので、『ごみを分別せずに出す』といったことを悪気なくやってしまう」と指摘。その上で「来日時や市役所に手続きに出向いた際、日本で暮らすための最低限のマナーや知識を伝える仕組みが必要だ」と訴える。

 外国人との共生は、社会保障や教育など幅広い分野に及ぶ。一般に外国人労働者は、全国健康保険協会(協会けんぽ)への加入が必要だ。仮に働いていなくても在留期間が3カ月を超える場合は国民健康保険に加入する必要がある。

 しかし、保険料の支払いを免れるために非加入の外国人労働者は後を絶たない。健康保険証には運転免許証のように顔写真がないため、1枚の健康保険証を非加入の外国人が使い回すケースも発生しているという。市国民健康保険課の太田晃課長は「今後、医療機関に対して患者の資格確認の働きかけが必要になるかもしれない」と漏らす。

 教育分野も受け入れ拡大に身構える。市内の公立小中学校には今年5月現在で1525人の外国人が学ぶ。これまでも日本語が全く分からない児童・生徒に対し学年を下げることなく支援してきたが、市教委学務課の高宮明洋主幹は「今まで対応したことのない事態が起こるかもしれない。子供の人権を第一に柔軟に対応したい」と話している。(大楽和範)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ