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三島の未来、二足のわらじで模索 NPO法人理事長の市職員・山本希さん(30)

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 少子高齢化などによる地方都市の衰退が指摘される中、三島市で“市職員”と三島の新しい街のあり方を模索する“NPO法人理事長”の二足のわらじを履き、街の活性化に取り組み、多忙な日々を送る女性がいる。入庁6年目の山本希さん(30)だ。NPOの目標でもある「『地域の未来を作る人をつくる』ことに注力したい」と目を輝かせる。

 山本さんはこのほど、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2018」(Heroes of Local Government主催)を受賞。市民らが主体となり創り上げた映画の成功に貢献したほか、まちづくりを市民たちと考えるNPO法人の活動でリーダーシップをとってきたことなどが評価された。

 ◆映画制作でスイッチ

 山本さんがこうした活動に取り組むきっかけとなったのが映画制作だ。同市が中心となって数千万円の寄付を集め、人口約11万人の市民のうち延べ4500人が参画して制作した映画「惑うAftertheRain」に、ロケ地ともなった「楽寿園」の管理担当時に自らもクルーとして積極的に関われたことだった。

 「もともと映画を作りたかった」という山本さんにとって願ってもない機会だったが、その際は「映画づくりだけしか考えていなかった」と振り返る。

 ただ、映画プロジェクトを通じて知り合った高校生から経営者、さらには別部門の市職員の先輩に至るさまざまな人たちのパワーを目の当たりにし、「地域にこれだけ本気の人がいるんだ」と気づかされ、「地域やまちづくりに貢献したいというスイッチが入った」。

 今年7月には、NPO法人「みしま未来研究所」の三代目理事長に就任。今では、地元企業の経営者やまちづくりに関わってきた人など約20人の理事を束ねる立場でもある。

 ◆信念の裏に危機感

 同研究所の活動の目玉は、平成22年に廃園となった旧三島市立中央幼稚園の跡地の再活用だ。現在、市が所有する建物を生かしながら共同事業者である地元企業の加和太建設(三島)が借り受けてリノベーションを進め、来年1月の開業を目指し、取り組みが進む。新施設では、市民のネットワークも生かしながら起業家を支え、仕事もできる「コワーキングスペース」をはじめ、市民が集まり、語らいが広がるよう飲食を提供する「多目的ルーム」、将来、社会課題を解決する起業家として活躍が期待される高校生の育成・教育スペースなどを設け、世代を超えた市民が集い、未来のまちづくりを考える空間にする狙いだ。

 山本さんは、「自分の地域のことを自分で考え、語り合う仲間、行動を起こす人が増えることでまちは元気になれる」との強い思いを持つ。これは、裏返すと、少子高齢化が加速する中、こうした強い思いで行動していかなければ、「20年後、30年後の三島の未来は厳しい」との危機感があるともいえる。

 同市広報広聴課の柿島淳課長補佐は「市職員は約700人いるが、新しい三島市のあり方を考える内部勉強会への参加者はまだまだ少ないのが現状。山本さんのように、市民のもとにどんどん飛び込んでいく若い女性職員の存在は未来の三島にとって良いこと」と評価する。市の「『住むなら三島』戦略室」の土屋滋俊さんも「市民全体がハッピーになる仕事を“志事(しごと)”ととらえていて、まさに市職員はこうした(山本さんのような)仕事をすべきだ」と話す。

 山本さんは、平日の日中は担当する税務の仕事をてきぱきとこなし、平日夜や休日はNPOの活動を精力的に取り組むなど多忙を極める。ただ、三島の街に魅力あふれる人たちがつながる場を作りたい、との強い思いが原動力となり、「大変とは思っていません」と笑顔をみせる。新たなまちづくりの全国の参考になる“三島モデル”を生み出せるか。山本さんの挑戦はこれからだ。 (那須慎一)

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