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名物喫茶「夢民」きょう閉店 甲府市街地の盛衰見続け40年 親身な店主、常連から惜しむ声

カウンター席で後藤徳子さんとの会話を楽しむ女性客=甲府市丸の内
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 甲府市中心街の移り変わりを約40年間見続け、県庁防災新館南側の約100メートルの通り沿いで営業してきた喫茶店「夢民(むーみん)」(甲府市丸の内)が20日、閉店する。店主の後藤徳子さん(70)を慕う常連客からは、昭和の雰囲気が残る店を惜しむ声もあるが、後藤さんは「きりの良いときにさっとやめるのが自分の性分」と笑顔をみせる。

 夢民は、後藤さんが専門学校時代のアルバイトの経験を生かし、同市塩部で5年間営業した後、昭和54年に「甲府の中心でやってみたい」と、この地へ移った。店名について「アニメの主人公に関係があるのか」とよく聞かれるそうだが、「夢見る民」という意味を込めて名付けたという。

 後藤さんは当時の県庁周辺の風景を「防災新館のある場所で『甲府西武』が開店した。前の通りだけで5軒の喫茶店があり、どこも買い物客や学生でいっぱいだった」と振り返る。

 軽食、パフェなど幅広いメニューがあるが、開店当時からの人気メニューは手作りのミートソースのスパゲティ。当時の甲府の喫茶店では、ミートソースといえばやや甘い味が特徴だったそうだが、「夢民」はその味を現在まで保ち続けた。

 人通りが急に減ったのは平成10年に甲府西武が閉店した後。「特に家族連れの往来が少なくなった」という。いまでは、通り沿いの喫茶店は夢民だけ。客層も中高年が中心となった。

 開店当初から常連という近くの主婦、飯室公子さん(69)は「悩みごとを親身に聞いてくれ、助けられたことがたくさんあった。ここに来ると気持ちが落ち着く」と話す。

 後藤さんは「甲府にリニアの駅ができたら、東京の中心から八王子よりも早く来られるようになる。東京のベッドタウンとして昔のにぎわいを取り戻せたらうれしい」と甲府の未来に思いを込める。(昌林龍一)

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