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良寛と貞心尼の「逢瀬」邦楽に 野田の三味線奏者らあす初披露

良寛と貞心尼をテーマにした邦楽をつくった押田雅治さん(左)と鶴家奏英さん=野田市
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 歌人、書家としても有名な江戸時代後期の禅僧、良寛(1758~1831年)と、良寛を思慕敬愛した歌人で尼僧の貞心尼(ていしんに)(1798~1872年)の出会いと別れをテーマにした新作邦楽「閻魔(えんま)の蝶」がこのほど完成し、11日に野田市文化会館大ホールで開催される野田市文化祭和楽の部の中で初披露される。同市の三味線奏者、鶴家奏英さん(73)が、茨城県取手市の元民謡雑誌編集者、押田雅治さん(69)の詞に曲を付けたもので、今年の良寛生誕260年、貞心尼生誕220年に合わせて創作された作品という。

 押田さんが良寛とその弟子の貞心尼を題材にした曲を作ろうと思ったのは、18年前に産経新聞に掲載された記事がきっかけ。記事には2人の歌人としての歩みのほか、貞心尼が当時住んでいた新潟県長岡市の「閻魔堂」から、約30キロ離れた同県内の良寛のもとへ通い続けた様子などが紹介されていた。

 禁断の恋とも師弟愛ともとれる2人の関係に興味を持った押田さんは、「いつか2人の『逢瀬』を音楽作品にしたい」と思い続けていたという。

 一方、作曲を担当した鶴家さんは利根川流域の民謡を紹介する「利根川ものがたり」を出版するなど全国の民謡の調査・収集と、邦楽創作を続けており、押田さんが鶴家さんから三味線を習っていた縁などもあって、良寛の生誕260年に合わせて2人で作品を作り上げることになった。

 完成した「閻魔の蝶」は演奏時間が約15分の作品で、良寛と貞心尼の出会いから死別までを二上り、本調子、三下り、六下りの三味線奏法で描き出している。2人の和歌や童謡を挿入したほか、民謡の要素を採り入れたことで邦楽ファンにも、邦楽に縁が薄かった人にも楽しめる曲に仕上がっている。

 11日は午後1時15分から始まる野田市文化祭和楽の部の2番目の演目として披露される。押田さんは「晩年の良寛を救った貞心尼の心が伝わればうれしい」、鶴家さんは「この曲が邦楽を知るきっかけになってほしい。良寛ゆかりの地などでも演奏したい」と話している。(江田隆一)

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