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【南極探検隊員に聞く】環境保全担当・和泉智哉さん(38) ごみ処理し快適空間

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 第60次南極観測隊(堤雅基隊長)の越冬隊で環境保全を担当する和泉智哉さん(38)=中央市=は、今月の出発に向けて最後の準備に追われている。昭和基地では、汚水処理施設の維持管理や生活ごみの処理などに携わるほか、30年以上前に埋め立てられた大量の廃棄物を持ち帰る作業も待っている。

 ◆梨大で見つけた夢

 県内に生まれ育った。山梨大の工学部に入学した際、昭和基地で越冬を終え、大学に戻ったばかりの教授の講演を聞き、「いつかは南極に行きたい」との思いを強くした。

 大学院にも進んだが、在学中に夢はかなわなかった。環境問題に興味があったことから、就職先はリサイクル業界を選んだ。

 仕事に没頭するうち、南極への思いは消えていった。そんなある日、同窓会で再会した大学関係者から「環境保全担当の観測隊員は公募がある」との話を聞いた。

 「自分も応募できる…」。忘れていた情熱がよみがえった。国立極地研究所(極地研)が実施している第59次隊の越冬隊員公募に「環境保全希望」として応募した。

 実はこの時、公募職種に環境保全担当はなかった。「知らずに応募してしまった」と苦笑いする。しかし、これが縁となって昨年4月、第60次隊の環境保全担当の話が極地研から届き、選考に臨んで合格。勤務先の許可も得て、南極行きが決まった。

 「いい意味で勘違いから始まり、結果として思いがかなった」と振り返る。

 ◆会社の理解に感謝

 越冬隊員は出国から帰国まで1年4カ月の長丁場。「社員が七十数人の組織で長期間、社員がいなくなるのは大きな痛手。『行ってこい』と言ってくれた社長には感謝以外ない」と話す。

 現地では汚水処理施設の維持管理、生活ごみの焼却、生ごみの乾燥処理などに追われる。

 さらに、埋め立てられた30年以上前の廃棄物の回収という重要な仕事がある。埋め立て地の容積は推定約5500立方メートル。現場を調べて実態を把握した上で、集積方法や輸送計画を作成し、回収作業まで行う計画だ。

 観測隊関係者から「環境保全担当は休みがない」と冗談交じりに言われ、最初は「越冬者は30人ほどなので(ごみは少ないはずなのに)不思議だった」。しかし、「仕事の中身を知ってなるほどと思った」という。その上で「ごみを集めて詰める作業を繰り返すのは大切。埋め立てた廃棄物を処理するのは普段の仕事に近いので手腕を発揮したい」と、言葉に力を込めた。

 「研究や観測にストレスがない環境を作るのが自分の使命。その上で、オーロラなどの自然も楽しみたい」(編集委員 芹沢伸生)

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