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【今こそ知りたい幕末明治】脱獄成功を告げる一発の銃声

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 9月10日頃、高杉の命を受けた6人は、対馬藩領浜崎に到着した。浜崎は現在でいう佐賀県唐津市にあたり、対馬藩の飛び地があった。一行はそこで宿をとり、海上に浮かぶ姫島を眺めながら、望東尼救出に関する詳細な打ち合わせを行った。望東尼はのちに、この6人は、福岡藩の藤四郎と小藤四郎、対馬藩の多田荘蔵と吉野応四郎、長州藩の泉三津蔵および博多商人、権藤幸助であったと記している。

 9月16日午後4時頃、三反帆の船が姫島に着いた。藤四郎ほか1人が島の中腹にある岡定番役宅に来て、「朝廷より望東尼御赦免の沙汰が出たので身柄を受け取りに来た」などと言って懐より一通の書面を差し出し、定番役・坂田嘉左衛門としばらくの間押し問答を続けた。藤と坂田は生家が隣同士で旧知の間柄であったが、坂田は藤が脱藩して長州にいることを知っており、藤の話に疑念を抱いたのである。そのうちに一発の銃声が聞こえたので、藤らは丁寧にあいさつして、悠々と役宅を辞した。

 実は、藤らが押し問答をしている間に、他の同志が獄舎に赴いて望東尼を解放する計画であった。銃声は、役宅と獄舎の中間地点で見張っていた一人が、首尾よくいったことを知らせるために放った合図であった。

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