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えびの高原、水質改善めど立たず 噴火から半年、来季の稲作断念も

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 宮崎、鹿児島県境に位置する霧島連山・えびの高原(硫黄山)が4月、250年ぶりに噴火し、半年あまりが経過した。周辺の川では直後から有害物質が検出され、水質改善のめどは立たない。農家への影響は深刻で、稲作などで来季以降も生産が危ぶまれる。火山活動に終息が見えない中、自治体は大学と連携し、対策を模索する。

 硫黄山の噴火後、麓の宮崎県えびの市では長江川が白く濁り、高濃度のヒ素などが確認された。水稲農家364戸(269ヘクタール)が作付けを断念した。合流する川内川流域の鹿児島県湧水町と伊佐市は、風評被害を懸念し、計584ヘクタールで取りやめた。

 宮崎県による長江川水系の水質調査では、住民が生活する範囲は、環境基準をほぼ満たすまで有害物質濃度が低下した。一方、硫黄山は依然として噴気を上げ、山頂に近い地点は強い酸性の状態が続く。県は飲用や農業用水として使わないよう呼び掛けている。

 稲作再開には、代替水源が不可欠だ。ただ、えびの市によると、来季に見込める代替水源は最大51ヘクタール分にとどまっている。ため池造成や水路改修などで対応するにも、多くの時間を要する。

 市職員は「将来的に、稲作を諦めるよう伝えることもあり得る」と顔を曇らせた。市は、キャベツなど露地野菜への転作を勧める。

 抜本的な解決策を探る取り組みも始まった。宮崎大は9月下旬、硫黄山から流れる強酸性の水をくみ上げ、石灰石を投入して中和させる試験を実施した。これを川に戻し、水質の改善効果を検証した。

 主導した伊藤健一准教授(地盤環境工学)によると、一定の効果が確認された。それでも「硫黄山の地質そのものが有害物質を多く含む。火山活動の高まりで、再び濃度が上がる可能性がある」と指摘した。

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