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秋の褒章 山梨県内から5人

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 平成30年秋の褒章受章者が発表され、山梨県からは5人が栄誉に輝いた。内訳は黄綬褒章2人、藍綬褒章3人。発令は3日付。このうち、長年にわたり甲州雨畑硯に取り組んできたことが認められ、黄綬褒章の受章が決まった富士川町の峯硯(ほうけん)堂本舗代表、雨宮正美さん(68)に喜びの声を聞いた。

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 ■祈り込めて最高の硯追求 黄綬褒章 峯硯堂本舗代表 雨宮正美さん(68)

 毎朝、店舗2階の硯(すずり)の展示場に置かれた神棚に向かう。「石の神様」に般若心経を唱え、一日の仕事が始まる。

 「山に山神様、水には水神様がいるように、石には石の神様がいる。だから、祈りをささげて石を清めている。ノミを使うのでけがをしないように、という気持ちも込めてね」

 亡き父、春男さんが創業した甲州雨畑硯の「峯硯堂本舗」に18歳で入社。営業と硯製作を担い、来年で50年になる。遅れて入社した弟の正広さん(62)は職人一筋。平成22年に黄綬褒章を受章した。「兄弟そろっての受章。うれしくて、うれしくて」と頬が緩む。

 江戸時代から伝わる甲州雨畑硯。原石の産地が現在の早川町雨畑であることが名前の由来だ。

 「墨の適度な粘度を出せるほどよい硬さと凹凸が特徴」。時代とともに書道をたしなむ人が減り、墨や硯の需要が減少。近隣で屋号が残るのは、峯硯堂を入れて5軒という。

 硯はすべて手作りだ。原石をたがねなどで平らにし、ノミで彫り、硯の形ができたら砥(と)石(いし)で整形する。さらに、漆を塗って仕上げる。1週間でできる小さなものから、1~2年もかかる大作までと多彩だ。

 書道家や書道専門店向けに、独創的なデザインの硯を製作し、販売している。「葉や皿をモチーフにして曲線を描いたものや、立体的な作品を作っている」。

 石に祈りを込めた“魂の芸術”に最高傑作はまだないという。「職人は常に最高を追求する。満足したら、そこから上に行けない。常に向上心が必要」と自らを戒める。

 「何年続けられるか分からないけれど、後世に最高峰の硯を残すのが夢」。まだ見ぬ頂上へ向け、精進の日々が続く。 (松田宗弘)

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【プロフィル】雨宮正美

 (あめみや・まさみ) 昭和25年、鰍沢町鬼島(現・富士川町鰍沢)生まれ。44年、峯硯堂本舗に入社し、平成7年から代表。25年11月、「山梨県知事表彰」、29年11月には現代の名工として「厚生労働大臣表彰」を受賞した。

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 ▽黄綬褒章(2人) 

雨宮 峯正(雨宮正美)68峯硯堂本舗代表  富士川

望月 澄雄75山林種苗業  南部

 ▽藍綬褒章(3人)  

進藤 正明77元県小売酒販組合連

合会長  大月

渡辺 清幸73保護司  忍野

渡辺日出男86県交通安全協会副会長  富士吉田

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 【名簿の見方】氏名・団体名、年齢、経歴、現住所(市区町村名)-の順。年齢は発令の3日現在。経歴の「元」には「前職」を含む。氏名の字体は、共同通信社が使用中のものを基準とした。敬称略。

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