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【上州この人】農園星ノ環社長・星野高章さん(43) 収穫体験などで実りと喜び共有

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 担い手不足や耕作放棄地の増加など、全国的に農業を取り巻く環境は厳しい。しかし、農業を基幹産業と位置づけ、「農村産業」を掲げる昭和村には、ビジネスとして農業を成功させている農家が多く、活気に満ちあふれている。中でも、「農園星ノ環(ほしのわ)」(同村糸井)の社長を務める星野高章さん(43)は、消費者との交流など先駆的な取り組みを続けている。 (吉原実)

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 「この地域は開拓地なので、何か新しい取り組みを始めようとしても、先輩方が自由にやらせてくれる風土がある」

 6月に来県した梶山弘志地方創生担当相(当時)の視察先にも選ばれた農園は赤城山の麓、標高約750メートルに位置する。主に育てているのはレタスや小松菜、ホウレンソウなどの高原野菜だ。もともと農業には適さない土地柄だったが、祖父の世代が戦後に開拓し、農村としての基盤を構築。今や全国有数の農業地帯に発展した。

 スタッフは技能実習生も含めて総勢14人。平成28年時点で売り上げは約7200万円に達した。

 特徴は消費者との交流だ。「農から生まれる喜びの種を薪き続け、その実りを共有する」を理念に掲げる。キーワードは、人とのつながりや循環を意味し、社名にも組み込まれている「環(わ)」。「(消費者と)話ができる距離感を保ちたい」との思いを込めた。

 消費者に収穫体験をしてもらうのはもちろん、自ら講師として小学生向けに食育授業を行うこともある。

 社長に就任当初は、農薬をめぐる問題が世間で注目を浴びていた時期と重なり、「消費者の感情的な不安は拭えず、深い溝を感じた」。加えて、外国産に比べ高価な国産野菜に拒否感を示す消費者も多かった。しかし、農業体験に参加し、手のかかる生産過程を知ってもらうと、消費者の態度が一変した。

 「『これだけ大変なのか。レタスが1玉1千円でも買いたい』と言ってもらえた。口で説明することと、実際に体験することは全く違うと思った」

 開拓農家の3代目に生まれ、農家に囲まれて育った。幼いころから農作業を手伝うことも少なくなく、他の職業に就くことは「イメージできない」という。

 全国に目を向けると、有名企業が手掛ける大規模農園もある。

 「『今の昭和村はどうなんだ』と聞かれると、僕らの責任だが、新しいビジネスモデルはない。これから先、どうするか。真剣に考えないといけない」

 “開拓魂”は受け継がれている。

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【プロフィル】ほしの・たかゆき

 昭和49年、昭和村生まれ。開拓農家の3代目として、高校卒業まで同村で過ごす。日本大学農獣医学部(当時)を卒業後、地元に戻り家業に従事。若手農業者の勉強会「三代目」や冬に花火を打ち上げる「昭和村に花火を上げる会」など地域活動でも活躍し、平成17年に「有限会社 農園星ノ環」を設立、社長に就任。昨年、日本農業法人協会の28年度「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選」に選ばれた。

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