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「介護士シンガー」かんのめぐみさん、お年寄りの物語を歌で伝える 高松

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 アコースティックギターを片手に、高松市を中心に活動するシンガー・ソングライター、かんのめぐみさん(27)は、介護福祉士として働く「介護士シンガー」。お年寄りの話からインスピレーションを得て曲を作り、介護や認知症への理解を広めようと歌い続けている。

 「稲の穂が実るころ あの子らも帰ってくる 足音に耳澄ませ ここで待つ今日も」。認知症の施設の利用者が食堂で朝ご飯の匂いをかぐと、それがスイッチとなり家族で稲刈りをしていた記憶がよみがえる-。今年6月に作った「稲刈りの季節」の一節。

 「認知症の方の行動や言葉も、背景を探っていくとその人なりの理由がある。歌を聞いた人に、少しでもそれを感じてもらえたら」と話す。

 「思いを外に出さずにいられない性分」だった高校時代、ギターを習い、駅前などで歌うようになった。昔から祖父と話すのが好きで、介護福祉士になった。施設の利用者と接し、相手の記憶を丹念にたどるうち、曲や歌詞が自然に生まれてきた。

 しかし、仕事は想像以上に過酷だった。体力的に行き詰まり、閉塞感で「周りが見えなくなった」。音楽も手に付かず、正社員として3年勤めた特別養護老人ホームを平成26年に退職した。

 戻ったきっかけは、27年春に受けたオーディション。審査員に「(介護経験を音楽にする)視点はいいけど、今は現場で働いていないよね」と言われ、矛盾を突かれた気がしたという。パート勤務で職場に復帰。現在は介護と音楽の両立を目指し、コンサートやインターネットで曲を発信する毎日という。

 復帰して間もない27年秋、忘れられない出会いがあった。「フウフの唄」という曲のモデルだった女性の息子らがコンサートを訪れ「母の人生を歌にしてくれてありがとう」と言ってくれた。

 「ご家族の気持ちを聞く機会はめったになく、うれしかった。これからも、歌を通じてさまざまな『人の物語』を伝えていきたい」と話した。

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