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愛媛の「大正湯」いい湯だなぁ~ 住民らに愛され100年超 3代目「体持つうちは続ける」

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 愛媛県西部の港町、八幡浜市にただ1軒残る銭湯「大正湯」は、大正4(1915)年創業の老舗だ。レトロなたたずまいが評判を呼び、全国から銭湯愛好家が訪れるほど。創業100年となった平成27年、設備の老朽化で廃業の危機を迎えたが、市の支援を受け2年前に復活。住民の交流の場として地域に根ざし、愛され続けている。

 三角屋根に板張りの外壁が特徴の洋風の外観は、住宅や商店が密集する地域の一角でひときわ目を引く。西日本豪雨の際は、被害が大きかった近隣の大洲市や西予市から、被災者が約1カ月にわたって訪れ、避難生活の疲れを癒やした。

 のれんを守るのは、3代目の山内実さん(79)と妻、富美子さん(75)だ。28歳で結婚し、富美子さんの実家の大正湯を継いで約50年になる山内さんは「体が持つまで続ける」と笑顔だ。

 八幡浜市の銭湯は戦後徐々に減少し、25年には1軒だけに。27年9月、湯を沸かす設備が故障し、休業に追い込まれた。以前は公衆浴場の設備改修費を県などが一部負担する制度があったが、銭湯の減少で18年に廃止された。修理費は高額で、山内さんは初めて廃業を考えた。

 それでも住民や銭湯愛好家から復活を願う声が絶えなかった。山内さんからの相談や住民の声を受け、八幡浜市は大正湯存続のため、市独自の補助金制度を創設。修理費約1200万円のうち、280万円の補助を決めた。娘夫婦が後継ぎに決まったことも、山内さんを後押しした。

 ペンキが剥げていた外観を補修して浴槽のタイルも張り替え、約1年後の28年9月に再開。脱衣所のロッカーや靴箱は、昭和25年ごろに改装した時のまま残した。

 18歳から番台に座る富美子さんは「お客さんはほとんど顔見知り。みんな風呂に入っているよりおしゃべりしている時間の方が長い」と笑う。山内さんは「『いいお湯だった。ごちそうさん』と言われるのが一番うれしい」と話した。

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