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「鳥取画壇の祖」の全貌にせまる 21年ぶり、鳥取県立博物館で土方稲嶺展

書院を再現した空間に展示されている旧興国寺障壁画=鳥取市の県立博物館
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 江戸時代中期に活躍し、「鳥取画壇の祖」と呼ばれる絵師、土方(ひじかた)稲嶺(とうれい)(1741~1807年)を紹介する展覧会が、鳥取市の県立博物館で開催されている。

 稲嶺は鳥取に生まれ、絵を志して、江戸で写生の花鳥画を特徴とする南蘋派(なんぴんは)に学んだ。その後、円山応挙、伊藤若冲ら一流の画人が活躍する京都に舞台を移し、写実を基調に、大画面も巧みに構成する独自の表現を開花。晩年は鳥取藩絵師に取り立てられ、江戸、鳥取で活躍した。

 同館での稲嶺の展覧会は平成9年以来21年ぶり。新出のものを含め125件の作品・資料で、近年注目される鳥取画壇の代表的画人の全貌にせまっている。

 南蘋派の写生技法は、応挙、若冲ら京都画壇の絵師に広く影響を与えた。その中で稲嶺を際立たせるのは、陰影表現や面的な着彩による西洋画に近い写実感覚という。大幅にツル5羽を描いた「群鶴図」では、羽の汚れも描き込むリアリズムを見せる。一緒に並べられた若冲の「旭日松鶴図」の整った美しさと一線を画している。

 大画面では、興国寺(和歌山県由良町)が同館に寄贈した襖絵22枚(38面)が修復後、書院内部を再現して初公開されている。三之間「芦に叭々鳥(ははちょう)・遊鯉図襖」は、芦に止まる叭々鳥の視線の先の水面に、さまざまに体を向けたコイが次々現れ、空間に一体感をもたらす。妙心寺塔頭(たっちゅう)・大法院(京都市)の「叭々鳥図襖」などとともに、稲嶺の空間構成の感覚が見て取れる。

 稲嶺は、京都での画名を聞き付けた鳥取藩により藩絵師に召し抱えられた。同藩が家系によらず優れた画技で抜擢した最初の藩絵師となった。同展は11月11日まで。

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