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【想う 10月】石巻市長面地区、北野神社宮司・高橋範英さん(68)

伝統の神楽を奉納する秋祭りを行った北野神社の宮司、高橋範英さん=10日、宮城県石巻市
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 ■「諦めではなく、前へ進む気持ちなければ」 移った団地に遥拝殿、祈祷殿

 宮城県石巻市長面(ながつら)地区の大入山にある北野神社。学問の神、菅原道真をまつる神社で宮司を務める。東日本大震災で被災、同市二子の二子団地に移り住んだ。先月30日、自宅敷地内に遥拝殿(ようはいでん)、祈祷(きとう)殿を建てた。長面地区のほかにも、さまざまな被災地域からこの団地に移住してきた人々が、故郷の神社に思いをはせて拝み、心のよりどころになれば、という思いを込めた。

 「お年寄りはなかなか遠く離れた故郷の神社まで足を運べない。ここでそれぞれの地域の神社に向かってお参りできるよう建てました」

 長面地区は漁業、農業ともに盛んな地域だった。震災では目前に広がる追波(おっぱ)湾から津波が襲来、壊滅的な被害を受けた。高橋さんの自宅も津波にのまれた。

 「大きな揺れの後、津波が来ると思い、妻と避難しました。忘れ物を取りに引き返そうとしましたが、道中で出会った人から津波が来ていると聞きました。霧のようなほこりが舞っていたのを覚えています」

 山に鎮座する神社の社殿は無事だった。震災の年の7月には恒例の祭りを開催した。震災前には150人ほどが集まった祭りも、にぎわいを失っていた。伝統の踊りが披露されると、見物していた地域の人々の目に涙が浮かんだ。

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