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宮城・女川町役場の新庁舎完成 利便性向上、新たな町の拠点に

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 東日本大震災で800人以上が犠牲になった女川町。震災の津波で大きな被害を受けて、仮設での運用が続いていた町役場の新庁舎が完成し供用が始まった。同様に被害を受けた町内の3施設も新庁舎に合築されており、地域住民の利便性の向上が期待されている。

 ■震災で全壊

 女川町役場は震災の津波により全壊の被害を受けた。震災後は女川第二小学校(現在は女川小学校)の駐車場にプレハブの仮設庁舎を構えて、業務に当たっていた。

 町は新庁舎の建設工事を平成29年3月に着手。9月に完成し、供用が開始された。地上3階、地下1階建ての鉄骨造。延べ面積は本体建物に付属建物を合わせて計約8500平方メートル、建設工事費には約42億円を投じた。震災後、高台に移った住宅街と飲食店などが軒を連ねる「シーパルピア女川」など低地の商業エリアの中間に位置している。

 同町管財営繕課の小林貞二技術補佐は「建物を町と海に向け、眺望を確保しているのが特徴。また複数の公共施設をまとめて利便性を確保した」と説明する。その上で、「高台の住宅地と低地部の商業エリアをつなぐという役割も期待している」と話した。

 ■絵本館→図書館

 新庁舎には「生涯学習センター」「保健センター」「子育て支援センター」が併設された。いずれも震災で被害を受けて、庁舎内に再建された。このうち生涯学習センターと子育て支援センターは1日にオープンする。

 生涯学習センターにはコンサートや講演会などを開くことができる412席のホールがある。今月27日にはこけら落としとして落語や漫才を楽しめるイベントが企画されている。

 図書館もできた。震災後、子供たちの心の支えにと開所した「ちゃっこい絵本館」。「ちゃっこい」は東北の方言で「小さい」の意味。約4千冊の絵本があり、子供たちの憩いの場となった。これに一般書を加えた「女川つながる図書館」が24年に開館し、今回、庁舎内に居を構えた。蔵書は約4万5千冊。その8割ほどが全国から寄贈されたものだという。

 「ちゃっこい絵本館」のころから図書館の運営に携わってきた図書指導員の三浦則子さん(50)は「町民に愛され、小さい子からお年寄りまで読みたい本が見つかるような場所になってほしい」と笑顔を浮かべた。

 ■行政と憩いの場

 「子育て支援センター」は23年4月に町内の古い幼稚園を改築してオープン予定だったが、震災に見舞われ頓挫。新庁舎でオープンする。3歳未満の子供とその保護者を対象にした「プレイルーム」と「一時預かりルーム」からなり、子育て学習イベントなどを通して母親同士の交流が生まれる場としての機能も期待されている。今月末にはハロウィーンイベントが開かれる予定だ。「保健センター」では各種検診などが行われ、町民の健康相談の窓口となるほか、調理室もあり調理実習の教室が開かれる。

 行政と町民の憩いの場がコンパクトにまとまり利便性が向上した女川町。震災で町から7割以上の建造物が失われる壊滅的な被害を受けた被災地に新しい町の拠点ができ、町づくりの一つの形を示している。(塔野岡剛)

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