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廃校プールでキャビア生産 下関市が実証事業へ

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 山口県下関市は平成31年度から、長州産業(同県山陽小野田市)と共同で、廃校を活用したチョウザメ養殖の実証事業に乗り出す。キャビアや魚肉の商品化など、事業化も視野に入れる。少子化と人口減少が進む山間部では、小中学校の統廃合が進み、廃校舎が増える。遊休資産の活用と、産業振興の両立を目指す。 (大森貴弘)

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 実証事業は、23年度末で廃校になった下関市豊田町の旧豊田西中で実施する。

 体育館に水槽を設置するほか、プールを区切って、チョウザメの養殖設備にする。調理場を備える食堂は、キャビアを取ったり、魚肉をさばいたりする加工場として使う。

 10月中旬に地域住民らへの説明を行い、市と長州産業が協定を結ぶ。施設は市の保有だが、設備投資や運営費などは長州産業が負担する。投資額は数千万円に上る見込み。協定締結後に工事に入る予定で、順調にいけば、来年4月に稼働する。

 実証事業の期間は約10年間で、この間に、キャビアや魚肉の加工・販売など、六次産業化をにらんだ商品化を進める。市は、商品のPRなどを後押しする。

 事業化の目途がついた段階で実証を終え、学校施設の賃貸や譲渡など、新たな契約に移行する。市の担当者は「最終的にはそのまま、地域の産業として根付くことを期待している」と語る。

 長州産業は、平成28年10月に自社でチョウザメの養殖事業に乗り出した。山口県美祢市や下関市など、3カ所に養殖施設を持ち、稚魚を飼育している。

 4カ所目となる旧豊田西中は、川が近くに流れ、採水環境に優れるなどの利点があるという。同社は、チョウザメ事業全体で、数年以内に販売額1億円の目標を掲げる。

 同社新規事業室の岡田陽一氏は「地域の産業振興とともに、新たな特産品の開発につなげたい」と述べた。

 チョウザメで地域振興を目指す自治体は他にもある。

 宮崎県小林市では、昭和58年にチョウザメの養殖事業が始まった。現在、市の直営施設のほか、5つの養殖業者があり、稚魚の飼育数は日本一だ。

 キャビアなどの出荷額は、昨年1年間で約700万円だった。数字的にはまだまだといえるが、市農業振興課の坂元俊亮主事は「『チョウザメといえば小林』を目指して、官民一体で取り組んでいる」と語った。

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