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仙台「正論」懇話会 古川勝久氏講演 知らぬうち北に加担「密輸拠点、国内に点在」

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 仙台市青葉区の江陽グランドホテルで27日に開かれた仙台「正論」懇話会の第53回講演会。講師を務めた国連安全保障理事会北朝鮮制裁専門家パネル元委員、古川勝久氏の解説に約60人の来場者は熱心に耳を傾けた。

 講演後の質疑応答では、日本製品が北朝鮮に流れている現状や、地方銀行を利用した資金洗浄、国内で暗躍するスパイなどに対し、日本がどう対応すればよいかという質問が出た。

 古川氏は「安保理制裁で資金の移動が禁止されているが、日本国内に北朝鮮関係者はたくさんいる」とした上で、「スパイ防止法も大事だが、(不正な輸出入を取り締まる)外為法は相当昔にできた。核兵器に関係する物資を密輸して有罪判決が出ても執行猶予がつく。刑法を変えるなど、できることはいくらでもあるのに、及び腰で誰も手をつけようとしない。悲しい現実だと思う」と述べた。

 古川氏は講演のなかで、北朝鮮の密輸ネットワーク拠点が、新潟県を中心として国内に点在しているとし、知らないうちに北朝鮮の経済活動に加担してしまう危険が潜むと指摘した。

 そうした兆候が「ビジネスのなかで目に見えるものなのだろうか」との質問に対しては、「通常の取引の中に不正取引があるというのがほとんどのケース。北朝鮮のエージェントはあらゆる手段でお金をもうけなければいけないので、非合法に特化するわけではない」と応じ、「企業の方は相談するルートを持つことが重要だ」と対策を呼びかけた。

 米朝間では過去に非核化や国交正常化をめぐり何度か合意しているが、6月の米朝首脳会談での合意文書は過去の合意文書と比べて極めて中身のないものだった。新たな米朝関係を確立し、相互の信頼醸成が朝鮮半島の非核化を促進するという文言にトランプ米大統領は合意してしまった。  北朝鮮は自発的に全ての核兵器を廃棄することには同意していない。過去の合意を踏まえて6月の合意文書は緻密な内容にすべきだったが、そうしなかった。トランプ大統領が前政権までの全ての合意を無視して、一から交渉してしまったからだ。トランプ政権の交渉チームは北朝鮮との交渉経験がなく、準備ができていなかった。オバマ政権までは北朝鮮の専門家で優れた人材がいたが、全員辞任した。一方、北朝鮮には対米交渉の経験が豊富な人材がそろっている。

 核兵器は北朝鮮の大切な「資産」だ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は経済成長を優先させたいが、経済制裁のために成長できない。

 このため、核・ミサイルの全廃はなくとも大半を廃棄する可能性はある。

 北朝鮮の核・ミサイル関連の施設は、まだ活動が継続している。次回の米朝首脳会談では、朝鮮戦争の終戦宣言と引き換えに、米国は北朝鮮からどこまで非核化での具体的な合意内容が得られるかが焦点となる。

 一気に北朝鮮の核兵器全廃とはならないが、日本の国益を考えると、今の流れはいい方向に向かっている。北朝鮮の核・ミサイル能力が増強されると、日本の負担が大きくなる。

 先の南北首脳会談の共同宣言で金委員長は、米国が関係改善のための措置を取ることを条件に、寧辺(ニョンビョン)の核施設の廃棄に言及したが、施設の無力化は大変なことだ。多くの科学者や技術者がおり、別の仕事を与えないといけない。非核化のプロセスにはコストと時間がかかる。

 日本の企業や金融機関が制裁決議違反に関わってしまっていることがある。平壌(ピョンヤン)の商業施設に日本製品が並んでいるが、日本から東南アジアなどを経由して北朝鮮に流れたものだ。日本の地方銀行から北朝鮮とつながりを持つ香港のペーパーカンパニーに数億円が送金されたこともある。日本ではマネーロンダリング(資金洗浄)対策がゆるい。日本国内で北朝鮮との取引から完全にフリーな地域はない。海外、国内で取引する際は相手をしっかりと知ることが必要だ。

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