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【学芸員ミュージアム談議】「金-KIN-」無限のかがやき 「金」の技法に作家のこだわり

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【学芸員ミュージアム談議】
「金-KIN-」無限のかがやき 「金」の技法に作家のこだわり

 「金(きん)」という言葉からどのようなイメージを連想されるでしょうか。「金」という漢字には英語のマネーとゴールドの両方の意味があり、貴金属である金は貨幣やアクセサリー、オリンピックのメダルなどさまざまなものに用いられています。金の放つ輝きは私たちを魅了し、富や権力、名誉や永遠の象徴と解釈されてきたのです。

 そして、金は屏風(びょうぶ)や蒔絵(まきえ)など美術品にも使われます。企画展「金-KIN-」は、近代から現代にかけての日本画における金の表現に注目する展覧会です。画家にとっても大変魅力的なものであった金は、さまざまな技法が編み出されています。

 本展ではそうした表現技法の多様性も紹介したいと考え、県内在住の日本画家、鎌田理絵氏に依頼して金の技法サンプルを制作していただきました。

 これらのサンプルによって、金箔(きんぱく)や金泥(きんでい)(日本画に用いられる金色の絵の具)、その応用的な技法を紹介するのみならず、例えば同じ金地の作品でも、金箔を用いるのと金泥を用いるのでは作品の印象が全く異なるということを実感していただけるのではないかと思います。

 技法から見えてくるのは作家のこだわりです。本展イチオシの作品、菱田春草(しゅんそう)「猫に烏」では、数百枚を超える金箔が屏風に貼られていますが、大量の金箔を用いることで作品は見る人にどのような印象をもたらすのでしょう? ぜひ、ご来場いただき、無限の輝きを放つ金の魅力をお楽しみください。(県天心記念五浦(いづら)美術館学芸員 塩田釈雄)

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 ■メモ 「金-KIN-」は北茨城市大津町椿の県天心記念五浦美術館で10月8日まで開催。月曜休館(ただし9月17、24日、10月8日は開館)。9月25日は休館。