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【ちば人物記】スペイン語通訳のボランティアCONESPA・CHIBA代表・大井田完二さん(72)

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 ■依頼あれば県内どこへでも

 スペイン語通訳のボランティア団体「CONESPA CHIBA(コネスパ チバ)」。会員12人の先頭に立ち、スペイン語を母語とする県内在住の外国人約3700人に通訳サービスを提供している。

 病院や役所が主な活動場所で依頼者の通院に付き添い、症状と医師の説明を通訳、役所では各種手続きを手伝うほか、携帯電話やアパートの契約で通訳することもあるという。料金は1回の依頼で1千円。これに交通費(ただし平成30年度はキリン福祉財団の助成を受け交通費免除)を合わせた金額で、依頼者から要請があれば県内どこでも、いつでも向かう。

 取材に訪れた8月、習志野市役所で日系ペルー人の親子と待ち合わせをした。7月にペルーから来日した比嘉ディアナさん(54)とキヨミさん(15)は同市で暮らしている。この日、キヨミさんの転入手続きのため、2人は学校教育課の窓口へ向かった。大井田さんは市職員が話す日本語をスペイン語に、比嘉さん親子のスペイン語を日本語に訳す。必要に応じて、日本の学校制度について説明して補った。

 キヨミさんは中学3年生だが、高校進学の準備のため、2年生として転入を希望。書類の「学齢以外の学年への入学希望」の理由を記す欄は自由記入だ。「日本語での学習が困難なため、1学年下への入学を希望し…」。市が用意した例文を持参した大学ノートにスペイン語に訳して書き、キヨミさんは訳文を書類に書き写して提出した。

 「これで中学2年生での受け入れが決まりました」。市職員が告げると、大井田さんは、すばやく通訳。「グラシアス(ありがとう)」。親子は安(あん)堵(ど)の表情を浮かべた。キヨミさんは夏休み明けの9月から中学校に入学した。「アニメや漫画が好き。日本の習慣や文化を学びたい」という。

 大井田さんが、CONESPA CHIBAを結成したのは28年1月。もともとは、会社を定年退職後に個人で通訳を請け負っていた。結成は「話すと気分が明るくなる」というスペイン語を使える場を求めたのがきっかけだった。会員は、千葉市国際交流協会が主催する通訳養成講座の受講生らに声を掛けて集めた。

 通訳を続ける理由は「スペイン語が好きだから」と話す。スペイン語を習い始めたのは鉱山関係の会社に入社した昭和43年ごろだった。「会社の独身寮で同僚のボリビア人と、日本語とスペイン語を教えあった」と当時の思い出を振り返る。

 CONESPA CHIBAの依頼者の9割は日系ペルー人だ。八千代市や船橋市などの工場労働者が多いという。口コミで広がり29年度は460件を請け負った。「メンバーの負担が重くなっている。スペイン語が話せる新たなメンバーや公的な支援があれば」と大井田さんは話す。

 家族には「依頼があれば、いつでも駆けつけているので、迷惑を掛けることもある。『ありがとう』と伝えたい」と謝意を述べた。(橘川玲奈)

                   ◇

【プロフィル】おおいだ・かんじ

 昭和20年11月生まれ、東京都出身。現在は習志野市で妻や長女と暮らす。通訳案内士(スペイン語)。趣味は水泳で、1日に2キロ以上泳ぐこともあるという。

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