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【甲信越ある記】柏崎市立博物館 全88星座投影の最新プラネタリウム室

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 豊かな漁場や標高993メートルの米山など恵まれた自然環境をもつ柏崎市。江戸時代には佐渡の金を江戸まで運ぶ北国街道の宿場町としてにぎわい、明治末から昭和初期にかけては石油精製の関連業界で栄えた。多彩な歴史を歩んできた同市の文化や伝統を約2000点の史料とともに学ぶことができるのが、総額3億5000万円をかけて今年3月にリニューアルオープンした市立博物館(同市緑町)だ。

 同館は昭和61年に開館。平成19年にもリニューアルの検討会が立ち上げられたが、同年に起きた中越沖地震により計画が中断した。今回の改修のコンセプトは「ちょっと昔からもっと昔へ」。展示構成は現代から縄文時代へとさかのぼる方式に変更され、故郷の歴史を効果的に学ぶことができる。

 2階の「人文展示室」に入ると、まず目に飛び込んでくるのが迫力満点の閻魔王像。本町通りなどに約500軒の露店が並ぶ地元最大のイベント「えんま市」の歴史を、市民から提供された資料や模型などを通してひもとくコーナーだ。

 えんま市の歴史は江戸時代中期にまでさかのぼり、戦後には炎をはき出す「人間ポンプ」やオートバイを使った曲芸などさまざまな見せ物が人気を博した。昭和40年代までは、「戦傷」などと書かれた募金箱を足元に置いてハーモニカやアコーディオンを奏でる傷痍(しょうい)軍人の姿が多くみられたという。

 さらに奥に進むと、柏崎の行事や美しい自然の風景などを約7分間かけて紹介する全長10メートルの3面マルチスクリーンが頭上に登場。今と昔の漁業の様子を同時に見比べることができるなど、工夫が凝らされた内容で飽きることがない。

 館内には、柏崎などで使われた砂浜を歩くための民具「浜下駄(げた)」を実際の砂の上で試せるスペースも。履いてみると、ほとんど沈むことなく歩くことが可能で、先人たちが重宝したのもうなずける。

 一方、子供やカップルらから絶大な人気を誇るのが、約1億2000万円をかけて設備を一新したプラネタリウム室。全88星座を映し出せる最新型の投影機器「オルフェウス」を導入したほか、座席を40席ほど減らして座席幅を10センチ拡大。車椅子用のスペースを2台分確保し、音響装置の性能も高めた。

 このほか、市ゆかりの偉人を紹介するコーナーも設置されるなど、故郷の歴史をさまざまな観点から学ぶことができる仕掛けが盛りだくさん。同館の学芸員、渡辺三四一さん(60)は「歴史の荒波を超えて受け継がれてきた先人たちの文化を学び、柏崎がどんな場所だったかを子供たちに知ってほしい」と来館を呼び掛けている。(松崎翼)

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 ◆柏崎市立博物館 柏崎市緑町8の35。JR越後線の柏崎駅から徒歩20分。常設展示とプラネタリウムの共通券は高校生以上が400円、中学生以下が100円。開館は午前9時~午後5時。月曜休館。問い合わせは同館(電)0257・22・0567。

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