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【岩手県民の警察官・消防職団員横顔】(下)釜石市消防団第4分団・野田光利分団長(71)

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【岩手県民の警察官・消防職団員横顔】
(下)釜石市消防団第4分団・野田光利分団長(71)

 ■難しい現場でも冷静判断

 親子2代の消防団員。入団は昭和51年で、「入るもんだ」と何の迷いもなかったという。以来42年あまり。平成20年に東南部農業共済組合釜石支所長で本業は卒業したが、71歳の現役消防分団長である。

 「なり手が少ない中で、あと1年、あと1年と頼まれているうちにこの年齢になりました」と笑うが、30年にわたり町内会の事務局次長、事務局長を務めてきた地域の世話役は消防団員も天職だったようだ。

 入団前の昭和45年には岩手県警本部長表彰を受けている。近所の幼稚園で保育料狙いの連続盗難事件が起きていた。趣味のアマチュア無線の機器知識を生かして、戸が開くと無線で父兄宅に知らせる装置を考案、犯人逮捕に功績があった。

 「夜中に張り込んでも捕まらない。それならというわけです。犯人の20代の男は夜明けに侵入してたんです。父兄が110番通報して現行犯逮捕されました」

 第4分団は釜石市の内陸が担当。平成23年の東日本大震災は後方支援だった。ベテラン分団長の本領を発揮したのは、焼失面積が400ヘクタールを超えた29年5月の釜石市尾崎半島林野火災。急峻なリアス式海岸の延焼地点まで適当な間隔で配置したポンプ車7~8台をホースでつなぎ、早期消火につなげた。

 「ものすごい風でどこに飛び火するか分からなかった」。難しい現場で冷静な判断が光った。携帯電話の普及で一時離れたアマチュア無線の資格再取得の準備中だ。「震災時に情報が皆無だった教訓」と備えも怠りない。 (石田征広)