産経ニュース

【想う 8年目の被災地】9月 「届けたい」語りで、写真で

地方 地方

記事詳細

更新

【想う 8年目の被災地】
9月 「届けたい」語りで、写真で

花が咲いたよ(佐藤美香さん提供) 花が咲いたよ(佐藤美香さん提供)

 頭の中を駆けめぐる「なんで」。今も解けない。

 震災当時のまま幼稚園はある。震災による建物の被害はなかった。窓ガラスも1枚も割れていない。閉園した園庭には雑草が茂る。

 「避難する必要もない場所に愛梨はいたんです。大川小学校、七十七銀行女川支店、山元町の自動車学校。数々の津波訴訟がありますが、建物が被災していないのは日和幼稚園だけ。大人の責任で子供の命が奪われることはあってはなりません」

 震災当時、3歳だった珠莉さんは11歳になった。

 「楽しいことがたくさんあった。お姉ちゃんも生きていたら楽しいことがたくさんあったんだろうなと感じます」

 白いデジタルカメラを取り出す。2年ほど前から持ち歩き、撮りためた写真は何千枚にも及ぶ。

 珠莉さんの写真展が8月に開かれた。愛梨ちゃんが生きていたら、14歳。だから14枚の写真が選ばれた。テーマは「届けたい」。

 小さなバスケットに入ったお菓子の写真。愛梨ちゃんの好物を供える。

 「お姉ちゃん、もらうね」

 勉強に疲れると、甘いお菓子でリフレッシュする。

 お花見に行ったときは愛梨ちゃんの分のお弁当と大好きだったイチゴを。人気グループ「EXILE(エグザイル)」のコンサートで東京ドームに行ったときはあいにくの雨。ホテルの窓からの1枚。双眼鏡は「お姉ちゃんも見えるように」と。

 傍らでほほえむ愛梨ちゃんの写真はいつも同じ。

続きを読む

このニュースの写真

  • 9月 「届けたい」語りで、写真で
  • 9月 「届けたい」語りで、写真で
  • 9月 「届けたい」語りで、写真で
  • 9月 「届けたい」語りで、写真で
  • 9月 「届けたい」語りで、写真で