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【学芸員ミュージアム談議】「見て学ぶ明治」「幼児・女子教育の先覚者 豊田芙雄」

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 ■意志ある女性のまなざし

 豊田芙雄(ふゆ)という女性をご存じでしょうか。平成4年に、水戸市教育委員会によって県立水戸二高(同市大町)の正門前に銅像が設置されましたが、控えめな大きさゆえ、目を留める人は少ないかもしれません。

 茨城のみならず、東京、鹿児島、栃木でも教育者として活躍した芙雄の生涯は、知るほどに心揺さぶられるものがあります。

 芙雄については明治・大正・昭和という時代を生きてきただけに、写真資料も数多く残されています。

 東京女子師範学校(現在のお茶の水女子大)教員となった頃の30代は和装で、徳川篤敬(あつよし)夫人付として赴いたイタリアでは洋装で、いずれの写真でも芙雄は背筋を伸ばし、前方をきりっと見据えています。

 その姿勢のよさは、同僚や教え子たちとの集合写真でも然りで、すぐに芙雄を見つけることができるほどです。さすがに晩年の写真ではやや前かがみですが、まなざしはしっかりとしています。

 芙雄のまなざしを、東京女子師範学校の教え子であった一人は、一(いち)瞥(べつ)で人の心の全部を読み取ってしまうよう、と回顧しています。あの目で見つめられると、身が引き締まる思いだったことでしょう。が、別の回想には、包容力に魅せられ、いっそう信頼を深めた、とあります。芙雄のまなざしは決して厳しいだけではないのです。

 意志ある女性であるからこそ、新しい分野である幼児教育・女子教育の先達として、97歳の生涯を生き抜いたのです。

 ぜひ、芙雄のまなざしを確かめにご来館ください。(県立歴史館副参事兼歴史資料課長 笹目礼子)

                   ◇

 ■メモ アーカイブズ展「明治150年」記念展示「見て学ぶ明治」「幼児・女子教育の先覚者 豊田芙雄」は9月24日まで、水戸市緑町の県立歴史館で開催。15日から21日まで満70歳以上の人は無料。10日休館。

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