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山口銀行・神田一成頭取 地域に人を集める銀行に

神田一成頭取
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 マイナス金利政策や人口減少など、地方金融機関の経営環境は厳しい。山口フィナンシャルグループ(FG)傘下の山口銀行の神田一成頭取(55)は、産経新聞のインタビューに「地域の情報を生み出し、生活を支援する。この2つを事業の柱に据え、個別企業だけでなく、エリア全体に目配りできる銀行を目指す」と語った。(大森貴弘)

 大前提として、これまでの発想からの脱却が必要です。銀行はこれまで、企業を見極めて、融資さえしていれば良かった。そうでなく、地域全体の振興を考えなければならない。

 その一つが「情報生産」です。

 山口FGは、購買や人の流れ、マーケットなどのデータを、私たちの持つ金融データと組み合わせ、新たな事業を生み出そうという会社を新設しました。

 地域に存在する行政や企業などの情報を集め、分析・加工し、それを地域企業にフィードバックする試みです。こうした試みの旗振り役を担えるのは、山口銀行しかないと思っている。

 私が目指す銀行像として、「情報生産」に並ぶ柱が、地域の「生活支援事業」です。

 例えば、店舗運営も生活支援の観点で考えていきたい。

 今、既存店舗を訪れるのは、ほとんどが高齢者で、しかも減少傾向にある。銀行として、顧客にどう接触していくかを、考えなければなりません。

 若者には、インターネットとかスマホバンキングを充実させる。同時に、既存店舗の改革を進める。来店客が減っている以上、機能は縮小せざるを得ない。ただ、そこで生じる空きスペースを、地域の事情に合わせて使っていく。

 高齢者が多い地域なら、集会所かもしれない。ファミリー層が多いなら携帯ショップかもしれない。ネットカフェやゲームセンターだって悪くない。とにかく、人が集まる仕組みを作る。

 こうした改革は、すでに動いています。山口県萩市にあった浜崎出張所は、機能を萩支店に統合し、空いた建物は市に貸し出しました。市はこのスペースを使って、山口大のサテライト施設を誘致した。

 今後、行政が間に入らなくても、既存店舗を使ったイベントスペースを運営しても面白いかもしれません。不動産賃貸業のようなイメージです。

 ■ノルマ廃止

 先日、ふくおかFGと十八銀行の経営統合を、公正取引委員会が認めました。

 地銀再編については、グループの「船頭」である山口FGの吉村猛社長を中心に、戦略を練ると思います。

 ただ、山口県の場合、貸出金利の競争は、下げ止まっていると実感します。特に、法人向けが顕著です。

 金利で争わない状況では、事業性評価とか課題解決型のコンサルティング能力が、より問われるようになる。取引先の事業性評価は、短期的な収益との両立が難しい。

 そこで今期から、行員の数値ノルマを廃止しました。融資額や投資信託の販売額など、あらゆる現場の担当レベルで、数字の目標は設けません。時間をかけても、丁寧にやろうとしています。

 ノルマがないと行員は喜びそうなものですが、実は戸惑っています。行員の評価も、難しい。

 いかに企業から情報を聞き出し、最適な提案をしたか-。プロセスを評価する客観的な項目は作りましたが、定着はこれからでしょう。評価基準自体も、走りながら改善します。

 私も、頭取に就任してから取引先を回りました。200社前後は行きましたが、全然足りないですよね。行員の模範になるよう、これからも率先して動くつもりです。

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