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自民党総裁選 街頭演説なぜ佐賀 「自民離れ」農業票へプレッシャー

長州「正論」懇話会で講演する安倍晋三首相=8月12日、山口県下関市
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 自民党総裁選(7日告示、20日投開票)では期間中、全国5カ所で候補者が街頭演説する。九州では、佐賀市内で15日に開かれる予定。なぜ九州の県庁所在都市で、最も人口が少ない佐賀なのか。党本部には、前回衆院選(平成29年)や同県知事選(27年)で「自民離れ」を起こした農協などに、プレッシャーをかけようとの思惑がある。 (九州総局 村上智博)

 総裁選には、安倍晋三首相(党総裁)と石破茂元幹事長が立候補を表明している。候補者が党員・党友に支持を呼び掛ける演説会は、佐賀のほか、東京、京都、三重、北海道で予定されている。

 佐賀県は一見、「保守王国」だ。県議会は定数38(欠員2)のうち、自民党が26人を占める。

 ところが、昨年10月の衆院選では、党公認の岩田和親氏(1区)、古川康氏(2区)の2人とも選挙区で敗れた。岩田、古川両氏は比例復活したとはいえ、選挙区で自民党が全敗したのは、全国で佐賀県だけだった。

 自民党の誤算は、農業票の自民離れだった。

 営農者らで構成する政治団体、佐賀県農政協議会(農政協)は当時、安倍政権が進める農協改革などへの不安を募らせていた。対立候補の農政協への接近もあり、組織として「自主投票」を決定した。

 来年、統一地方選と参院選が実施される。憲法改正の国民投票の可能性もある。

 自民党本部は、総裁選の演説会を通じ、農協など従来の支持団体を、たぐり寄せておきたいとの思いがある。佐賀県連の桃崎峰人幹事長(県議)は「自民党への関心を喚起し、再び支持の熱を持ってもらう絶好の機会となる」と語った。

 もちろん岩田、古川両氏には、「次は選挙区で負けられない」とのプレッシャーがかかる。

 ■知事へメッセージ

 演説会は、山口祥義知事に対しても、無言のメッセージとなりそうだ。

 前回知事選は保守分裂だった。菅義偉官房長官らが後押しした党推薦候補を、山口氏が農政協や一部の自民党県議の支援を受けて、破った。

 山口氏は今年12月16日投開票の知事選に、再選を目指して出馬する。

 佐賀県は、陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの佐賀空港配備や、諫早湾干拓問題への対応、九州新幹線長崎ルートの整備方法など、国政レベルの課題を多く抱える。こうした問題では、政府との連携が欠かせない。

 前回知事選で、山口氏の対抗馬を支援したある県連幹部は「党内のしこりは消えていない。総裁選の演説会は、党本部が『自民党は、佐賀をめぐる国政課題でも、これだけ論争ができるぞ』と、知事に見せつける意味からも、重要な機会になるだろう」と述べた。

 総裁選で優位に立つ安倍首相は8月7日夜、都内で開かれた佐賀県議団の懇談会に飛び入りで参加した。

 首相は「佐賀の皆さんには日頃、頑張ってもらっている。ありがたい」とあいさつした。その場にいた県議の一人は「首相の言葉に、気持ちが引き締まった」と語った。

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【用語解説】自民党総裁選

 1人1票の国会議員票(405票)と、党員票(405票)の計810票で、過半数を獲得した候補者が当選する。このうち党員・党友の投票は9月7~19日。党本部が全国集計し、得票数に応じて各候補にドント方式で比例配分する。

 平成24年総裁選では、都道府県ごとに党員票の持ち票を事前に決め、得票結果から票を配分した。

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