PR

地方 地方

【にいがた活力企業】リンコーコーポレーション(新潟市)

Messenger

 ■“貿易の歴史”とともに物流支え

 新潟県は創業100年を超す老舗企業数が1283社と全国で5番目に多い(平成29年時点。東京商工リサーチ調べ)。その背景に北前船の寄港地として古くから栄え、明治時代に紆余(うよ)曲折を経ながらも開港した新潟港の存在がある。

 ◆創業期は牧場経営

 開港後、明治期の大河津分水事業、信濃川河口改修などの整備を経て、新潟港(西港)は近代化された。昭和44年にコンテナターミナルを擁する東港が開港し、県内企業の物流も大きく変化した。そんな新潟の物流を支えてきた企業が、明治38年創業のリンコーコーポレーション(新潟市中央区、南波秀憲社長)だ。日本で唯一の私有港湾・臨港埠頭(ふとう)で港湾業務を営む。

 同社の創業期の主力は牧場経営で、当時の社名も「新潟健康舎」だった。現在の臨港町地区一帯の国有地や私有地を借り受け、土地を開墾していくうちに、日本海側の拠点として新潟港を整備する必要性を痛感。大正9年10月、社名を「新潟臨港」に変更し、12年ごろに西港に最初の岸壁を築き、同社の本業も社名通りの港湾業務となった。昭和期に入ると、西港整備も本格化、同時期に新潟の貿易が始まるなど、同社の歴史はまさに“新潟貿易の歴史”といえる。

 ◆荷主のニーズ的確に

 「昭和56年1月に東港で海上コンテナを初めて取り扱ったときは旧ソ連向け消費財が大半だった」と南波社長は振り返る。その後、韓国、東南アジア航路のコンテナも入るようになり、さらに中国の経済拡大を受けて海上コンテナの利用は増え、日本海側最大級のコンテナ取扱量となった。

 「コンテナ利用の主力は中国からの製品輸入。個人消費に直結しているため、景気に左右されやすい。一方、輸出では県内に輸出型企業の立地が少ないこともあり、伸び悩んでいる。輸出を伸ばすためには、荷主が何で困っていて何を求めているかを物流事業者が的確に捉え、そのニーズに応えることが重要だ」

 ◆危険物事業強化へ

 南波社長のそんな思いもあり、9月ごろに東港支社(聖籠町)と隣接する自社所有地に危険物倉庫を着工する。同社によると、完成すれば日本海側の港湾地区で初めての危険物倉庫となり、県内化学品メーカーの新潟港からの輸出も伸びる。昨年開設した危険物を輸送できる「ISO(国際標準化機構)タンクコンテナ」50基が保管可能な屋外貯蔵施設と合わせ、危険物物流事業を強化する。

 事業継続計画(BCP)対応も進める考えで、「阪神大震災では新潟港を含む地方港が注目を集めたが、太平洋側に災害があった際のバックアップ対応だ」(南波社長)と説明する。

 新潟港は来年、開港150周年を迎える。記念事業「海フェスタにいがた」では来年12月まで、地域の企業や団体が関連事業を催す。南波社長は同事業の実行委員を務める。市民イベントとしての盛り上がりも重要だが、この事業が県内企業の活力向上につながることを期待したい。(東京商工リサーチ新潟支店長 内山裕次)

                   ◇

【プロフィル】内山裕次

 うちやま・ひろつぐ 昭和49年、千葉県生まれ。埼玉大卒。平成15年東京商工リサーチ入社。東京支社調査部を経て28年6月から新潟支店長。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ