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農産物のGAP認証加速 ブランド茶で先行、鹿児島がノウハウ活用 

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 2020年に開催される東京五輪・パラリンピックを見据え、各地で農産物の生産管理の徹底ぶりを示す国際認証「GAP(ギャップ)」取得の動きが加速している。ブランド化につながる期待もあり、産地間競争の様相を呈している。茶でGAP取得が先行してきた鹿児島県では、他の品目への拡大を図るなど、ノウハウ活用の動きもある。

 「古い農薬の処分や、鉛筆をボールペンに替えるなど手間も掛かったが、取引先との信頼関係が深まった。取って良かったと実感している」

 平成21年に全国で3番目に茶のGAPを取得した菊永茶生産組合(鹿児島県南九州市)の菊永明彦組合長は、効果をこう強調した。36人の組合員が計約160ヘクタールの畑で「知覧茶」を生産する。コンサルタントを招き、組合員が分担して勉強し、取得につなげた。

 GAPは生産活動の各工程を正確に記録するなどし、農作物の品質改善を目指す取り組み。日本GAP協会(東京)が設けるJGAPやASIAGAPなどが代表的だ。

 鹿児島県経済農業協同組合連合会(JA鹿児島県経済連)では、大手飲料メーカーが使用茶葉に独自基準を設けたのを機に、類似項目が多いGAP取得を推進した。茶農家と共に生産計画や農薬の保管方法など、JGAPの手順書を基に取得マニュアルを作成した。30年3月現在で県内623農場がGAP認証を受けた。

 ◆底上げ

 茶では、京都や静岡など他の有力産地でも取得が進む。関係者は「先進的な取り組みは付加価値を高める目的で進んできた。これからは皆で取得し、農業全体の底上げを図る時期だ」と強調した。

 教育機関にも波及している。農林水産省によると、6月時点で全国の高校や農林大学校計31校が取得した。山形県立農林大学校は昨年、米のGAPを取得し、今年からは座学も取り入れた。高橋享副校長は「取得を通して生産工程の管理を学ぶことができ、消費者の立場に立つ意識向上も図れた」と成果を語る。

 ◆浸透不十分

 小売業者が農作物に高い安全性を求める中、JA鹿児島県経済連は、全国一の生産量を誇るサツマイモなど芋類でもGAP認証を目指す。経済連の清水洋之肥料農薬課次長は「取得したい農家から声を掛けてもらっている。無理のない、持続的な取り組みをしたい」と話した。東京五輪・パラリンピックでは組織委員会が食材調達基準を定めており、GAP取得が提供の条件となる。「自分が作ったものを五輪で出したい」と意欲的な農家は多いが、GAPの消費者への浸透は不十分だ。

 国産農産物の輸出にも取得が不可欠で、有効性への理解をどう広げるかが課題となる。

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