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【しずおか“お酒”巡り】ベアードブルーイング 日々奮闘、職人のクラフトビール

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 全国有数のクラフトビール産地の静岡県において、全国のクラフトビールファンから高い評価を得ているのが、伊豆・修善寺に工場を構えるベアードブルーイングだ。「日本の職人文化をクラフトビールで」を合言葉に“本物”のビール文化を日本に根付かせようと奮闘している。

 「とりあえずビールで」

 キンキンに冷えたビールで一日の労をねぎらい乾杯-というのがわれわれ日本人のしきたりだ。ただ、同社が直営し、ビールが飲めるタップルームで提供されるのは少しぬるめの7度。普段、われわれが口にするビールはおおよそ3~4度。「ぬるい」と指摘されることがあるというが、ベアード・ブライアン代表は味や香りが最も引き立つのが7度だと力説する。一口含んでみればその意味が分かる。時間の経過とともにさまざまな味が口の中を駆け巡る。

 ◆定番だけで12種

 「日本人がまだ知らないビール文化を紹介する」との思いからベアード氏は立ち上がった。米国のビール醸造所での修業を経て平成12年に沼津の地で創業。店内で提供する料理を担当する妻、さゆりさんと切り盛りしてきた。当時、日本のビール市場は大手数社に支配されていた。「日によって、ムードによって、食べているものによってビールの選択は変わる。ビールほど多様性のあるお酒は他にない」。ビールの歴史が浅い日本にクラフトビールが根付けばもっと多様で深みのあるビール文化に親しんでもらえると思いついたのだ。

 その信念のもと、ベアードブルーイングで提供するビールは定番だけで12種にも及ぶ。アルコール度数は4・5~8・5%まで、色も小麦色から真っ黒なものまで実に多彩だ。旬の果物や野菜を使った季節限定の商品も多数そろえる。

 決して大規模とはいえない同社が多様な商品を生産するのは困難を極める。原材料を適切に維持するだけでも膨大な労力がかかる。

 「知識がなければできない」とベアード氏。原材料の風味を落とすことなく、商品として成り立たせるのはベアード氏の勉強熱心さがあるからこそだ。

 ベアード氏の細かく計算し尽くされたビール造りはまさに職人芸。同社のビールの特長の一つである充填(じゅうてん)後の発酵は、酵母の管理が行き届いていなければ成り立たない。モルトやホップの絶妙なブレンドをベースにした自然なクセを生かした製法も然り。社長室に並ぶ100冊以上の分厚いレシピファイルはこれまでの知識と経験の結晶だ。ビール造りへの情熱に常連客からは「ブルーアイズサムライ」の二つ名が与えられた。

 ◆ラベルにストーリー

 新しい商品の開発はビールの歴史やレシピを学ぶ中で自然に生まれるという。例えば、「帝国ペールエール」は明治38年の日露戦争がモチーフ。大英帝国がインドを支配していたころ、輸送中に腐敗しないようにアルコール度数を高めて製造したとされるインディアペールエールに発想を受けて作り始めた。

 それぞれの商品のインスピレーションは版画を使った印象的なラベルに刻まれており、商品に込められたストーリーをラベルからひもとくことができる仕掛けになっている。さまざまな商品の提供がビールの啓蒙(けいもう)活動になると位置づけるベアード氏のこだわりだ。

 同社はタップルームと呼ぶ直営店を県内外に8カ所構える。本社工場の2階にもタップルームがあり、自然に囲まれた中で多様なビールを味わうことができる。ベアード氏はタップルームを「フェースツーフェースで対話できるショールーム」と位置づけており、店員にビールが生まれた裏話を聞きながら、飲み比べをしてみれば、今よりもビールを深く楽しめそうだ。(石原颯)

                   ◇

 ◆ベアードブルーイング

 【代表者】ベアード・ブライアン氏

 【創業年】平成12年

 【所在地】伊豆市大平1052の1

 【電話】0558・73・1225

 【販売など】ウェブサイトから購入可。土・日曜、祝日には工場見学会を実施している。

                   ◇

 ◆ライジングサンペールエール

 かんきつ系を思わせるほのかな甘味と爽快さ。時間を追うごとに味が変化し、最後にガツンとした苦みが余韻として残る。

 ペレットや抽出物(エキス)を使うことなく、最小限の加工しかしていない生ホップを用いるのがベアードブルーイングの流儀。ライジングサンペールエールは米北西部の生ホップの特長が存分に生かされている。

 さゆりさんが「ベアードビールを好きになるきっかけになっている」というこの商品。一口飲んでみれば、ベアードビールのとりこになるだろう。

 内容量330ミリリットル、アルコール度数は5.5%。価格は6本入りで2700円。

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