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【上州この人】名優の夢の城引き継ぎ25年 サンポウ会長・平井良明さん(71)

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 英国スコットランドの古城を、石のミニテーマパーク「大理石村」(高山村)に移築復元した観光施設「ロックハート城」。同園を運営する総合石材業、サンポウ(沼田市)の創業者で会長、平井良明さん(71)が、昭和から平成にかけて活躍した名優、津川雅彦さん=4日に78歳で死去=が購入した城を譲り受け、今年4月で開業25周年を迎えた。「城主」が目指すのは「小さくてもユニークで、末永く愛されるテーマパーク」だ。(住谷早紀)

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 「私には夢がある。津川さんの夢を引き継ぐ形で、お譲りいただきたい」

 欧州の古城を手に入れるという壮大なロマンを追った「同志」と、出会ったのは平成3年。私費で購入したロックハート城を北海道に移築する計画が宙に浮いていた津川さんへ思いをぶつけると、「僕のなし得なかった夢を実現してほしい」と二つ返事で了承してくれた。

 沼田で生まれ育ち、23歳で起業。仕事が軌道に乗り始めた頃に渡欧した際、長い歴史の中で積み上げられたイタリアの石文化に打ちのめされた。

 「日本で、本物の石の文化を感じてもらいたい」

 ふさわしい建造物を欧州中で探し歩いた。やっとの思いで、フランスでロマネスク様式の城を見つけた。購入しようとしたが、成約直前で現地の議会から反対され、実現しなかった。

 意気消沈しているとき、目の前に現れたのが津川さん。まさに「捨てる神あれば拾う神あり」だった。

 ロックハート城は1829年、英国ボーダー地方(エディンバラの南西約50キロ)にウィリアム・ロックハートが建てた古城だ。

 社員の反対を押し切って、コンテナで石材を運び、大理石村に城を移築復元。5年4月6日(城の日)に開業に漕ぎ着けた。石造りの美しい城を一目見ようと、大勢の観光客が押し寄せ、4~5キロの車の渋滞ができた。「こんなに多くの人が支持してくれたのか」と涙が出てきた。

 ロックハート城は昨年、「るるぶ.com旅行人気ランキング」の婚礼観光部門1位に。女優、朝丘雪路さん=今年4月27日に82歳で死去=とおしどり夫婦で知られた津川さんがほれ込んだ城はカップルたちにも愛されている。

 「うちは日本で一番小さいテーマパーク。それでも、本物の石が醸し出す雰囲気を感じてもらえているから、年間12万~13万もの人が訪れてくれるのだろう」

 石屋になって約半世紀。自他ともに認める「石頭」の本物へのこだわりが城を輝かせ続けている。

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【プロフィル】平井良明

 ひらい・よしあき 昭和22年生まれ、沼田市出身。44年、学習院大経済学部卒。46年、サンポウ工業(現サンポウ)設立。石材工事全般、公園墓地、テーマパーク、ウエディング、ホテル経営など、幅広く事業を展開。平成24~30年に沼田市観光協会会長。沼田城の復元、再生を目指す「沼田城を造る会」副会長も務める。

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