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【五輪のサーフポイントから 一宮町】(下)一宮中3年の中塩佳那さん(14)

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 ■強化指定A選手、女子で最年少

 東京五輪のサーフィン種目開催地、一宮町の釣ケ崎海岸で、五輪出場を目指し練習する中学生サーファーがいる。町立一宮中学3年の中塩佳那さん(14)だ。今年2月、日本サーフィン連盟が指定する五輪強化指定A選手に女子では最年少で選ばれた。女子のA選手は5人のみ。五輪での活躍が期待されている。

 仙台市出身。5歳のころ、父親の義幸さん(49)に誘われ、サーフィンを始めた。義幸さんにボードを押してもらうと、すぐにボードに立てた。才能を見い出され、小学校入学後、家から近い仙台新港(同市宮城野区)で本格的に練習を始めた。

 ◆「東の道場」に移住

 だが、平成23年3月、東日本大震災で仙台新港は津波にのまれた。港は壊滅的な被害を受け、とてもサーフィンができる状態ではなかった。練習場所を求め、日本海側の山形県や、夏休みには千葉県まで家族で出かけた。

 24年1月、サーフィンを思いっきり練習できるようにと、母親の周子さん(47)や3人の兄弟とともに一宮町への移住を決意した。仕事がある義幸さんは仙台に残った。一宮の海はサーファーから「東の道場」と親しまれ、プロサーファーが多く集まることから、移住先に決まった。

 それ以来、一宮で練習を続けている。「一宮には質の良い波がほぼ毎日来る」と語る。波が速く、乗りやすいそうだ。

 そんな中、28年、サーフィンが新種目として東京五輪の開催競技に追加され、その会場に一宮町の釣ケ崎海岸が選ばれた。地元での開催は「噂はあったけど、まさか本当にここでやるとは…」と驚いたという。

 五輪出場を目指し、夏休み中は、天候や波の高さによるが、5、6時間は海に入って練習する。学校があるときもほぼ毎日、2、3時間は練習を重ねる。他にも週に1度のヨガで、サーフィンに不可欠な体幹を鍛えている。

 練習の成果は着実に発揮されている。今年5月に行われたサーフィンの全国大会、第36回全日本級別サーフィン選手権大会では、2位に大差をつけて女子優勝するなど、確実に頭角を現している。

 ◆楽しまなきゃ駄目

 持ち味はメンタルの強さだ。普段は男子選手に交じって練習するが、その中でも積極的に良い波を“取り”にいける。負けず嫌いで、試合本番でも緊張しない。「サーフィンは楽しまなきゃ駄目だよね」と話す。

 課題は体づくりとパワー。現在、身長は150センチ。女子選手の中でも小柄な方だ。海外の選手は、体格が大きく、力強いサーフィンができる。「パンチ力をつけて、男子にも勝てるキレのあるサーフィンがしたい」と意気込む。

 また、来年冬には高校受験も控えている。公立高校進学を目指し、トレーニングの合間を縫って週1回、塾にも通う忙しい日々だ。記者が「両立は大変?」と聞くと、「大変じゃない。両立してないもん」と笑って答えていた。

 「サーフィンは自然相手のスポーツ。同じ波は2度と来ない」と魅力を語る。きょうも五輪を見据え、一宮の波に乗る。

                   ◇

 この企画は長谷裕太、橘川玲奈が担当しました。

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