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【夏の立ち寄りどころ】宿根木(佐渡市) 古い町並み、江戸にタイムスリップ!?

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 夏にどこかに遊びに行くとなれば、まず海や山を思いつくだろう。どこかの古い町並みを散策するのもいい。できればゆっくりと、ちょっと変わった夏の一日を過ごしたい…。そんなときにお薦めなのが、佐渡島の南端にある佐渡市の宿根木(しゅくねぎ)だ。

 島の玄関口の一つ、小木港から県道45号を車で10分ほど走ると、小さな港町が見えてくる。古くから廻船(かいせん)業で栄え、江戸時代には小木港が北前船の寄港地だったこともあり、宿根木には船主や船大工、鍛冶屋、桶(おけ)屋などが多く暮らした。

 広さ約1ヘクタールの集落内には100棟以上の建物がひしめき合う。江戸時代から伝わる建物には、外壁に船板や船釘を使ったものもあり、船大工が活躍した面影を残す。集落は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

 ◆気分は一寸法師

 すぐ近くの入り江で乗船できるたらい舟の「はんぎり」も名物の一つ。周辺の海岸は岩場が入り組み、複雑な地形のため湾が狭く、大きな船で行動するのが難しかった。そこで桶を横に半分に切り、小回りのきく船として使ったのが由来とされる。

 体験したのは湾内を15分ほど周回するコース(800円)。直径約2メートルのはんぎりに、海に落ちないようにゆっくりと乗り込み、出航した。

 海岸沿いに広がる岩場には所々、くぼみが見える。船頭の金子啓次さん(65)によると、いけすとして今も利用されているという。

 「海の中をのぞいてみてください。タコが見えるかもしれません」。そう言われて、渡されたガラス箱を海面につける。残念ながらタコは見えなかったものの、沖縄の海に勝るとも劣らないほど澄んだ海中の世界が広がっていた。

 「やってみますか」と勧められ、操船も体験。櫂(かい)代わりの長い木の棒を必死で左右に動かすが、なかなか前に進まない。箸を櫂にして、お椀(わん)の舟に乗った一寸法師のような気分になる。

 「世界一遅い舟だが、乗った人が『楽しい』と言ってくれるのがうれしい」と、金子さんは笑顔を見せる。

 ◆高台から全体一望

 陸に戻り、案内所のある広場から「世捨小路」と呼ばれる小道を抜け、宿根木の町並みを散策する。江戸時代から明治時代にかけて財をなした船主の邸宅「清九郎(せいくろう)」など伝統的な家屋に囲まれた路地を歩くと、タイムスリップしたかのようだ。

 集落の一番奥にある称光寺は貞和5(1349)年開創と伝わる。こぢんまりとした古刹(こさつ)で神さびた空気を心ゆくまで味わった後、宿根木の町並み全体を見渡せる高台にのぼった。

 黒々とした瓦が連なる町の向こうには、日に照らされて真っ白に反射する日本海が見える。かすかに聞こえる小川のせせらぎと、セミの鳴き声以外に音はなく、ひんやりとした風が頬を静かになでる。

 「200年前もこんな風が吹いていたのだろうか…」。水平線を眺めながら、柄にもなくセンチメンタルな気分に浸った。(太田泰)

                   ◇

 ◆宿根木 佐渡市宿根木。新潟港から佐渡・両津港までカーフェリーで約2時間半、高速船のジェットフォイルで約1時間5分。両津港から車で1時間余り。たらい舟は3月下旬~11月中旬まで乗船できる。午前9時~午後6時。午後5~6時は予約が必要。料金はコースによって異なり、中学生以上は800~2千円。問い合わせは宿根木体験学習館(電)0259・86・2077。

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