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【かながわ元気企業】(2)理化学機器開発・製造・販売「バイオクロマト」

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 ■「優れたものは売れる」の信念

 大学や製薬会社、食品・環境分野などの研究施設になくてはならない理化学機器を開発し、製造から販売まで一貫して行う「バイオクロマト」(藤沢市)。自社開発した濃縮装置「コンビニ・エバポ」シリーズはこの2年間に、かながわ産業Navi大賞の大賞、発明大賞の本賞を受賞。メード・イン・ジャパンにこだわり、海外にユーザーや販路を広げる木下一真代表(43)は今年、科学技術分野の文部科学大臣表彰も受け、そのビジョンにさらなる弾みがついた。

 創業は昭和58年。福岡から上京した父が、クロマトグラフ(混合物質の成分分析を行う機器)を扱う商社として起こした。「これからはバイオテクノロジーの時代になる」と考え、バイオとクロマトを合わせた造語を思いついて社名に。手堅く商標登録も行った。

 ◆特許を登録

 理化学機器の販売会社としてスタートしたが、関連する半導体製造装置の部品供給に着手するや、業績はうなぎ上り。ピークの平成12年、木下代表は2年間の化粧品会社勤務を経て父の会社に戻り、営業を任された。

 ところが翌年、ITバブルが崩壊し、売り上げは前年の半分に。そのころから経済環境も様変わりし、報われない場面が増えた。「自分たちにしかできない商品やサービスを開発する以外に、生き残るすべはない」と木下代表は考えた。

 16年、大手製薬会社と共同で商品を開発する機会があった。翌年、その商品を別の大手製薬会社に紹介すると、「君たちの会社はこんなことができるのか」と注目され、研究室に案内された。

 そこで共同開発したのが「コンビニ・エバポ」の原型だ。共同で19年に特許出願、23年に特許登録した。

 ◆出身は経済学部

 18年、代表に就任。「僕は経済学部出身。技術者ではなかったからこそ、ここまでこれたと思う。僕はどうやったら売れるかを考え、共同開発先の技術者はどうやったら技術がよくなるかをとことん考えられた」。そして同様の新たな展開に乗り出す。今度は大手化粧品会社と共同での成分分析の技術開発だった。

 「大手製薬会社2社と大手化粧品会社の、それぞれと一緒にやったことがいま、わが社の事業の3本柱となっている。最初の製薬会社の商品単価が数万円規模、次の製薬会社との開発商品が数十万円から300万円、化粧品会社とのそれが300万円から数千万円。そのたびに1桁ずつ増えている」と振り返る。

 事業展開の背景にはメード・イン・ジャパンにこだわる強い姿勢がある。圧倒的な技術力とブランド力、ソリューション(解決)能力。付加価値を与えれば高くても売れるという信念。「優れた『ものづくり』で日本の良さを世界に発信する」というビジョンに、大手企業で窮屈な思いをしていた研究員が1人、2人と共鳴し、仲間に加わった。

 ◆香りの移ろいを比較

 「コンビニ・エバポ」シリーズは完全受注生産だ。研究室はどこも武骨で癒やしがないというユーザーの声に応えて、戸外の自然をイメージした4種類のデザインとした。「Sun」「Squall」「Grass」「Sky」の淡い4色で、色別に受注している。

 「この色合いを出すのはものすごく大変だった」が、理化学機器とは思えないかわいらしさで、好評という。ちなみに発注が一番多いのは「Sun」だとか。

 同じく、同社が開発した機器の一つ「ボラタイムシップ」。香りなどの揮発性成分をリアルタイムに分析できる装置だ。

 例えば、入浴剤の香り立ちを秒単位で測定可能。A社とB社が同じ種類の香りであっても、配合されている揮発性成分の種類や配合比の違い、投入直後と1分後での香りの放出具合の差などが分かる。

 そのデータを両社は商品開発や販促などに活用できるというわけだ。ドリップコーヒーをいれた際の香り立ち、香水の香りの移ろいの比較など、さまざまな場面での応用、利用が考えられている。

 「『バイオクロマト』を理化学製品の世界共通ブランドとして認めてもらえるよう、次なる仕掛けをしていく。僕らが携わったことが、世界の多くの人を助ける医薬品になるかもしれない。夢のある話をどんどんしたい」と遠くを見た。(山根聡)

                   ◇

 ■バイオクロマト 

 ▽所在地=藤沢市本町1の12の19 ((電)0466・23・8382)

 ▽設立=昭和62年2月

 ▽資本金=2000万円

 ▽従業員数=16人(平成30年7月現在)

 ▽売上高=5億3000万円(平成30年7月期)

 ▽事業内容=研究の効率化支援に関わる商品の開発、販売。濃縮装置「コンビニ・エバポ」シリーズ、プレートシールなど

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