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群馬県防災ヘリ墜落 「稜線トレイル」暗転、開通目前…セレモニー中止

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群馬県防災ヘリ墜落 「稜線トレイル」暗転、開通目前…セレモニー中止

 中之条町の山中に10日墜落した県の防災ヘリコプター「はるな」は、「山の日」の11日に全面開通する登山道「ぐんま県境稜線(りょうせん)トレイル」の状況を上空確認するため飛行していた。県は稜線トレイルを観光の「目玉」と位置づけて整備を進めてきただけに、関係者のショックは大きい。事故を受け、11日に予定していたオープニングセレモニーと野反湖周辺エリア(中之条町)の開通記念登山ツアーは中止となった。 (糸魚川千尋)

 稜線トレイルは、みなかみ町土合から嬬恋村鳥居峠までの約100キロ。平成28年に着想され、30年度から未開通部分の中之条町三坂峠-白砂山の約9キロの区間整備を進めてきた。

 初心者から上級者まで訪れやすく、周辺には豊富な温泉資源や観光地があることから、観光の大きな「目玉」になると期待されていた。

 11日の全線開通を控え、防災航空隊員4人と吾妻広域消防本部の5人が、連携して危険箇所の確認をしようと10日に視察。計9人を乗せた防災ヘリは午前9時28分に「西吾妻福祉病院のヘリポートに着いた」と吾妻消防本部に無線連絡があった後、消息が途絶えた。

 県スポーツ振興課スポーツプロジェクト推進室の斉藤義之室長は「開通はするので、登山される方の安全を考えながら、これからも整備はしっかりやっていきたい。心待ちにしている人もいるので、PRはしていきたい」と話した。

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 ■知事「尊い命失われ痛恨の極み」

 大沢正明知事は10日、県防災ヘリコプター「はるな」の墜落を受け「尊い命が失われたことは、痛恨の極みです。亡くなられた方々に深く哀悼の意を表します」とのコメントを公表した。

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 ■乗員ら搬送の前橋赤十字、病院職員慌ただしく

 前橋市朝倉町の前橋赤十字病院(中野実院長)には、午後5時16分に現場で救出された防災ヘリコプター「はるな」の乗員1人がドクターヘリで搬送された。

 病院西側のヘリポートには20人を超える病院職員が待機。ヘリが着陸すると、硬い表情で青いビニールシートなどで目隠ししながら患者を運び込むなど慌ただしい雰囲気に包まれた。6時45分には、2人目の乗員が救急車で搬送された。

 病院側は同6時半から中野院長と中村光伸高度救急センター長らが記者会見。中村センター長は「搬送された2人については死亡が確認された」と明らかにした。

 身元と具体的な死因については「精査中」としたが、ドクターヘリで運ばれた乗員に関しては「脳が見えている状態で、ほぼ即死状態だったことが疑われる」との判断を示した。2人とも泥だらけで、黄色い服を着ていたという。

 同病院ではこの日、午後1時半に初動救急隊2隊を現場に派遣。死亡した2人は急峻(きゅうしゅん)な墜落場所から別の場所に搬送され、ドクターヘリと救急車で運ばれた。