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夢を口にして実現、次は日本一 埼玉県警最年少の白バイ隊員・山口楓華巡査(22)

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 体を地面すれすれまで傾けた鮮やかなコーナリングに、就活生が感嘆のため息をもらした。約300キロの白バイを体の一部のように乗りこなしてみせる。男女合わせて県警最年少の白バイ隊員となった山口楓華(ふうか)巡査(22)。目標を口にすることで、超難関といわれる試験も突破し、夢を実現してきた。 (飯嶋彩希)

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 5月、県警察官を志望する学生らが参加した採用セミナー。以前は質問する側としてこの場にいた。「私でも白バイ隊員になれた。気持ちがあれば、誰だって」。まだあどけなさの残る顔を引き締めて、いまは学生に語りかける。

 学生時代から運動神経抜群で、小学校から高校までバスケットボールに熱中した。周囲が進路を考え始めた頃に真剣に将来を考え、母に警察官を提案されたが公務員試験に必要な学科試験の勉強をしていなかった。「もしここでなれたらすごい。頑張ろうと思った」。部活で培った負けず嫌いが役に立った。

 高校3年の夏に参加したセミナーで女性隊員が白バイを乗りこなしていた。大型バイクへの興味もあって白バイは憧れの存在になった。警察学校へ入学して1カ月、テレビで駅伝を先導する白バイ隊員を見た。制服姿がかっこいい。「憧れが夢になった瞬間だった」

 「白バイ隊員になりたい」。在学中、何度も周囲に口にした。小型バイクの実技試験で失敗し、「俺の方がうまい」と同期にからかわれることもあった。鴻巣署管内の交番に配属されてからは休日に、大型二輪の免許取得のために教習所に通い詰めたが、ここでも実技試験に一度落ちた。

 「しつこいくらい夢を口にしていたら、上司に日々の業務について指摘された。頑張る姿勢を見てくれていると思って、毎日全力で取り組んだ」

 交通違反の取り締まりでは、「若いくせに、姉ちゃんが!」と年配の男性が罰金に抵抗した。「お金と命は代えられません」。ルールを守る意識は自分の身を守ることにもつながる。丁寧に説明すると理解してくれ、住民を守る警察官としてやりがいを感じた。その姿を見てか、上司が白バイ隊員への推薦を出してくれた。

 面接と実技試験、勤務態度。それらに合格しても枠が空かないと隊員にはなれない。約110人いる白バイ隊員で女性はわずか5人。

 「気持ちだけでは来られない場所だった。目標を口にして、それに向かって頑張っただけ」。白バイ隊員は毎年、「全国白バイ安全運転競技大会」でしのぎを削っている。

 「夢は口にしないとかなわない。大会で日本一になることが、今の私の夢」

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