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LEDでウミガメ守る 徳島・大浜海岸街灯変更 産卵しやすい環境に

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LEDでウミガメ守る 徳島・大浜海岸街灯変更 産卵しやすい環境に

 アカウミガメの産卵地、徳島県美波町の大浜海岸で近年、ウミガメが減少している。一因に挙げられるのが、海岸の夜を明るく照らす電灯。そこで2年半前から、周辺施設や道路の電灯を、ウミガメへの影響が低い琥珀色の発光ダイオード(LED)に交換する取り組みが進んでいる。「ウミガメが戻れば」と関係者は期待を寄せる。

 6月14日、ようやく1匹のアカウミガメが上陸した。NHK連続テレビ小説「ウェルかめ」にも登場した大浜海岸。産卵周期から今年は上陸数が多くなると予測されていたが、例年より半月ほど遅い出だしとなった。

 美波町の日和佐うみがめ博物館カレッタの学芸員、田中宇輝さん(32)は「今年も少なければ、全体的に個体数が減ったと判断せざるを得ない」と不安をにじませる。

 田中さんが減少の理由の一つに挙げるのは、周辺の電灯だ。「夜でも明るい浜はウミガメに来るなと言っているようなもの」。田中さんによると、県内の海岸沿いの約8割に設置された街灯が上陸の妨げになっている。また、ふ化したウミガメは白熱灯や蛍光灯に含まれる紫外線など短い波長の光に集まる習性があり、陸の明かりに向かって進み、海にたどり着くまでに体力を消耗してしまうこともある。

 カレッタは県内の企業に依頼し、ウミガメに優しいLED電灯が完成。紫外線を含まず、カメが明るさを感じにくい琥珀色に発光する。現在、大浜海岸沿いの県道や漁港の街灯に使用。実験段階で効果は不明だが、田中さんは「帰ってきてくれれば」と期待する。

 ウミガメが産卵できる海岸は、かつて県内に30~40カ所あったが、今は10カ所もない。田中さんは「ウミガメが産卵しやすい環境づくりを目指し活動を続けていく」と意気込んでいる。