PR

地方 地方

【山口FG 組織改編】宝の山「金融情報」活用 収益力強化と地域振興目指す

Messenger

 「銀行は今、新たなビジネスモデルづくりを迫られている。新会社はその先駆けだ」

 データ・キュービックの社長に就任した矢儀(やぎ)一仁氏は、こう語った。矢儀氏は山口FG地域・事業開発本部の本部長でもある。

 金融機関には、取引先企業の財務情報や販売・仕入れルート、個人のクレジットカード情報まで、膨大なデータが集まる。カネの流れを通じて、社会・産業構造の変化をつかむことができる。

 ただ、こうした情報をビジネスには十分、生かし切れていなかった。

 金融機関が持つビッグデータの活用を探る-。山口FGの構想は、2年前に始まった。

 ただ、金融機関にデータ処理のノウハウはない。情報処理が得意な提携先が不可欠だった。

 取引先の紹介で、福岡・天神のシステム開発、フュージックと接触した。九州大発ベンチャーの同社は、情報処理技術に加え、膨大なデータ保管のノウハウもあった。

 矢儀氏らは昨年秋、企画書を携え、ほぼ「飛び込み」で提携を持ちかけた。

 フュージックにとっても、金融機関のデータは魅力的だった。半年足らずで業務提携の合意書を交わした。その後、金融庁の認可も受け、山口FGが8割、フュージックが2割を出資し、データ・キュービックを設立した。

 新会社の事業の柱には、課題解決へ情報処理を生かすコンサルタント業務を据えた。例えば、消費動向などの情報に基づき、取引先企業の販路改革を支援する。

 多くの中小企業が悩む人手不足にも、対応する。

 生産現場では、画像認識技術を使った検品作業の省力化や、「匠の技」をロボットに覚えさせることを想定する。すでに山口県内の複数の製造業者と、開発に動いているという。

 製造業だけでなく、医療・介護や行政なども視野に入れる。培った解決策はパッケージ化して、他の地域で展開する。

 データ・キュービックの情報活用事業部長、徳久剛氏は「地方の課題には、共通する部分も多い。金融情報とAIを組み合わせ、そんな課題に解決法を提示できれば、全国初のケースとなる」と意気込む。

 同社は設立5年の平成34年度に、2億円の売り上げ目標を掲げる。社長の矢儀氏は「金融機関が蓄積したデータを生かしたビジネスは、大きな可能性を秘めている。ベンチャーの気持ちで、収益力強化と地域振興の両立に挑戦したい」と述べた。(山口支局 大森貴弘)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ