産経ニュース

【高校野球静岡大会】島田商・小林史弥投手 力尽きた右腕「来年こそ」

地方 地方

記事詳細

更新

【高校野球静岡大会】
島田商・小林史弥投手 力尽きた右腕「来年こそ」

 もう限界だった。九回2死満塁。初球に投じたスライダーが内に入った。2番・東の強烈な打球が遊撃手・塚本を襲った。「捕ってくれ」との願いもむなしく打球はグラブを大きくはじき“78年ぶりの甲子園出場”の夢は手からこぼれ落ちた。

 ここまで強靱(きょうじん)なスタミナで幾度となくチームを救ってきた。十四回タイブレークとなった準々決勝では211球を投げ抜き、チームメートも「ここまで来たのは(小林)史弥のおかげ」と口をそろえる。

 スタミナはベスト4に進出した春の県大会後から始めた投げ込みで付けた。週1回150球。静岡市立戦後には「体を保てる手応えを得た」と成果を口にしていた。

 ただ、この日を迎えるまでに投じた球数は600球を超え、体がいうことを聞かなくなっていた。「気合だけで投げていた」。攻めの気持ちで常葉大菊川打線の内角を突き続けたが、ついに力尽きた。

 試合が決まると、喜びを爆発させる常葉大菊川ナインを尻目にグラウンドにしゃがみ込んだ。ベンチから飛び出した3年生の奈良間佳から「本当にありがとう。お前のおかげだ」と背中を叩かれると涙があふれ出た。

 「来年は一人で投げ抜いて甲子園に行きたい」と真っ赤な目で誓った。(石原颯)