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西日本豪雨3週間 物資の仕分けにアイデア 福岡市職員の森部・伊藤氏、倉敷で支援

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 西日本豪雨の発生から3週間。九州の自治体からも、被災地へ職員派遣が続く。現地の環境は過酷だが、熊本地震や九州北部豪雨など過去の災害を教訓に、被災者支援に当たっている。自然災害の発生は防げないが、被害を最小限にとどめ、復旧復興を早めるには、経験がものをいう部分も大きい。(谷田智恒、中村雅和)

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 福岡市は中国地方での被害発生直後から、レスキュー隊員や、給水部隊を被災地に派遣した。総務省が設けた「対口(たいこう)支援制度」のもと、7月11日からは岡山県倉敷市真備町に、避難所の運営支援などを目的に、職員を送った。

 博多区保健福祉センターの森部涼氏(26)は12日、支援物資の集積場となった真備総合公園体育館に入った。

 水や食料、衣料を積んだトラックが次々と到着した。倉敷市職員らが駐車スペースから体育館内まで、バケツリレーのように運ぶ。

 物資が増えれば増えるほど、職員の負担が大きくなっていた。

 森部氏は九州北部豪雨(平成29年)で、福岡県朝倉市に2度、派遣された。そのとき見た光景がよみがえった。

 集積場には、ローラーコンベヤーが設置され、物資はその上を流れていた。熊本地震で課題となった物資停滞を解消しようと、生まれたアイデアだった。

 森部氏は真備町の現地の対策会議で、ローラーコンベヤーを提案した。即、採用され、数日後、コンベヤーが届いた。

 荷運びの負担は小さくなり、仕分けや発送に人手を割けるようになった。

 小さな工夫で、大きな成果が生まれる。森部氏は「朝倉での経験があったからこそ、提案できた」と話した。

 避難所の運営も、混乱していた。

 「応援に行っても、倉敷市の職員から『忙しすぎて何をお願いすれば良いか、わからない』と言われたほどだった」。福岡市高齢社会政策課の伊藤政文主査(51)は、こう振り返った。

 伊藤氏は、福岡市や倉敷市の災害対応マニュアルを基に、役割分担の徹底をアドバイスした。さらに口頭だった職員の引き継ぎを、文書でするよう提案した。

 伊藤氏は「災害対応で最も大切なことは、組織的に動くことだ。その重要性を伝えられたことは大きかったと思う」と語った。

 他の地域の災害に対応できるよう、福岡市は29年9月、即時派遣が可能な職員のリストを作成した。現在300人の名前がリストに載る。今回、倉敷市に派遣した職員も、このリストからだった。

 派遣された職員は、そこで災害対応の新たなノウハウを蓄積する。それは福岡市の防災力を高めることにもつながる。

 伊藤氏は「災害派遣の最大の目的は、被災者支援だが、並行して福岡市の災害対応力を向上させたい。この経験を、いつかくる災害時に、福岡市民のために活用したい」と語った。

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