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九電の夏季限定割引が人気 社長の一言が先入観破る 高齢者の熱中症予防/電話1本で1割引き

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 列島が熱暑にあえぐ中、九州電力が23日に導入した夏の料金割引メニューに、申し込みが殺到している。26日正午までの申し込み数は3万6千件に上った。「熱中症予防という緊急措置で、社会貢献の側面が強い」(担当者)メニューは、池辺和弘社長の一言から始まった。 (中村雅和)

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 「暑さに対して、わが社が何ができるか考えろ」

 7月初旬。池辺氏は、営業本部の栗山嘉文副本部長を呼び、夏の割引メニューを考案するよう指示した。

 すでに九州各地で、最高気温35度以上の猛暑日を記録していた。夏場の電気料金が安くなれば、冷房が使いやすくなる。熱中症予防につながる。

 ただ、電気料金メニューは通常、年間の想定需要などを基にアイデアをもみ、算出する。

 季節限定の割引は、「営業畑からはとても生まれない発想」(栗山氏)だった。栗山氏らは検討を急いだ。

 誕生したのは、75歳以上の高齢者がいる世帯を対象に、8、9月の電気料金を1割引きする料金メニューだった。

 季節限定の割引は、大手電力会社で初めてだった。

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 新メニューが報道されると、申し込みや問い合わせが九電のコールセンターへ殺到した。電話がつながりにくい時間帯もある。

 注目を集めた理由の一つは、猛烈な暑さだろう。

 各地で熱中症で亡くなる人が出た。一方、高齢者を中心に、冷房をためらう人がいる。

 「高齢の両親が遠慮なくクーラーを使えるよう、プランを切り替えたい」。そんな電話もあったという。

 さらに「1割引き」という数字が、消費者の意識に刺さった。

 最近、液化天然ガス(LNG)などの価格上昇に伴い、電気料金が上がっている。再生可能エネルギー固定価格買い取り制度による賦課金の負担もある。

 加えて、猛暑で夏の電気料金を心配する人は多い。そんな世帯に、1割引きのインパクトは大きかった。

 電力小売りの全面自由化後、格安な料金メニューを提示する新電力に、九電の顧客が流れた。

 九電の夏の新プランは、多くの新電力を下回る料金水準となる。九電関係者は「コールセンターに『新電力に乗り換えたが、九電に戻りたい』という問い合わせもある」と語った。

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 電話1本で可能という申し込みの容易さも、支持を集めた理由だろう。

 世帯に75歳以上がいるかは自己申告で、九電は厳密な確認はしていない。

 この点は、社内でも議論になった。

 「嘘をついてまで割引を得ようというのは、九州人の気風から、ごくわずかだろう」(九電幹部)と、性善説に立った。

 池辺氏は、九州の地場企業として、機動的に顧客満足を追及する方針を掲げる。夏の新プランは、その先駆けとなっている。

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