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【高校野球静岡大会】常葉大橘・夏目大主将 仲間を信頼、チーム鼓舞

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【高校野球静岡大会】
常葉大橘・夏目大主将 仲間を信頼、チーム鼓舞

 1点を追う一回、1番・紅林の先頭打者本塁打などで古豪から一時、リードを奪った。「番狂わせをやってやろうぜ」。試合前、仲間を鼓舞した言葉が現実味を帯びかけ、主将として誇らしさが湧いた。

 ただ、本人は蚊帳の外。「4番・捕手」で先発したが、一回、七回の得点機に凡退し、4打数無安打、2三振1四球。2点差の惜敗に「相手投手のインコースを意識しすぎて走者をかえす役目が果たせなかった」と肩を落とし、「20点」と厳しく自己評価した。

 新チームで自ら主将に立候補した。だが、今春の県大会で1回戦敗退といきなりつまずいた。どうチームを引っ張るべきか。答えを求め、部員たちにアンケートを実施。今大会の約1カ月前には選手たちが入る寮に「理想のキャプテン像」について意見を求めた。「明るいキャプテンであってほしい」「頼りにしろよ」などの声が集まった。

 片平恭介監督から「一人で抱え込みやすい」と見られていた性格が「自分ができないことは仲間に頼ろう」と意識改革が図られ、連帯感が強まるきっかけとなった。だからこそ、終盤の劣勢の中、「隙を見せたら絶対にいけない」と自身の苦境をよそに笑顔を意識し、部員たちを鼓舞し続けた。

 「本当に仲間に支えてもらった。ありがとうという一言が全て」と仲間への感謝の言葉を紡いだ。だが、少しの間を置くと「勝ちたかった。このまま終わりたくない」と本音が漏れた。そして、瞳には光るものが…。 (吉沢智美)